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映画『アウトレイジ最終章』

アウトレイジ最終章。ヤクザもの好きとしてはやっぱり観に行くよね。結論から言うと前作の『アウトレイジ ビヨンド』ほどではなかった。ただ、アウトレイジは3部作のため、メリハリ的に言えば最終章が落ち着いたトーンになるのも頷ける。ビヨンドでがっと盛り上がって、最終章でフェードアウト。なんにせよちゃんと結論をつけてくれてよかった。

ご覧頂いてわかるとおり、「薄い!」「華がない!」。ほぼ、おじいちゃんしか残っていない。老いを感じずにはいられなかったよ。ビヨンドで主要メンバー殺しすぎたね。

それを感じたのはアウトレイジの代名詞である北野武のセリフ。「なんだこのやろバカヤロー」は一気にまくし立てる必要がある。な・の・に「なんだ△このやろ△バカヤロー」という感じで息継ぎをして舌がもたつくので怖さが感じられない。じつに残念!!

さらには大病明けの西田敏行。セリフ回りの良さは健在なのだが、とにかく痩せてしまっている。ヤクザの上層部となるとやぱり恰幅の良さが欲しいもんである。特にそういうキャラクターなんでねぇ。しかし、西田敏行のアドリブは凄まじい!一見の価値あり。

中田役の塩見三省もこちらも大病明けのため痩せてしまっている。こちらはキャラクター的に痩せててもOKなんだけど、口が回っていない。それもいい感じで怖さにはなっているんだけど、やはりヤクザものなのでもう少し覇気が欲しい。とはいえ、この二人の掛け合いはベテランの貫禄十分で最高であった。ずっと見てられる。

次、若手(ではないが)の新人たち。北野武の部下役の大森南朋。大好きなので期待していたが、情けない感じばかりが前面に出ていて、奥にある哀愁とか狂気とかが感じられず、役のキャラクターが見えてこなかった。こちらも残念なかぎり。

抗争の火種となった役を演じたピエール瀧。女好きで変態プレイを好み、金の巻き上げ方が汚い役どころ。感じが出ているといえば出ているが、期待していたほどではなかった。何だろ、何がダメなんだろ。

やはりビヨンドの加瀬亮を見てしまったので、あれくらいギャップがありながらピターーーっとハマる、そんなキャスティングと演技を期待していたのよ。それが今回薄かったのが残念。

その他のベテラン勢は安定の演技なんだけど、新鮮味がなくて見ていて飽きてくる。何度あくびをしたことか…。

とはいえ、ヤクザの生き様、死に様をきっちり描いてくれた。満足といえば満足の作品である。(歯切れわるーー)ただ、もうひと踏み込み欲しかったなー。バイオレンスシーンも銃をぶっ放しているだけで怖さがなかったよ。

#映画 #コラム #映画評 #感想 #アウトレイジ最終章 #039

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