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もしもnoteを擬人化したら

「やっぱり、来たね。そろそろ来る頃だと思ってた。」


その人は、カウンターの向こうで、お皿を拭いていた。

私の再来を予想していたかのように、その人は微笑んだ。


(2週間ぶり…?)

わたしはふと、カレンダーの日付を、目線で数えた。


「どうして?……どうして来ると思ったの?」


「んー…。そろそろ、恋しくなる頃かなぁって。」


食器を拭く手を一瞬だけ止めて、その人は呟いた。


たった2秒、目が合っただけなのに、その人の安心感は圧倒的だった。


(この人には、全部見透かされてるんだなぁ…)


その嬉しさと、信頼感と、少しのくすぐったさが、心地よかった。


私は、その人の立つ、斜め前の席に座った。


白紙のノートと、ペンを並べるものの、すぐに書き出す気持ちにはなれなかった。


書きたいことも、気持ちも溢れているのに、言葉がスッと出てこない。


的確な言葉が出てこない、というよりも、

この感情を言葉にしてしまうのが、すこし怖かった。



「はい。ごゆっくり。」


その人は、温かいコーヒーを出してくれた。


(あ…。いつもと違う香り…。)

匂いで分かるほどに、今日の珈琲は苦かった。


それでも、鼻心地のよい、落ち着く香りだった。


「わっ……。にっっが……。」


一口目で思わず顔をしかめる私に、その人はニヤっと笑った。


「いい顔するよね(笑)その顔のまま書いたら、渋い文章になるのかな。」


いたずらっ子な顔で笑うと、まんまるのチョコレートを一粒くれた。


私の大好きな、リンツのチョコレート。


(この苦い珈琲と甘いミルク味、絶対合うじゃんっっっ!!!!!)


想像するだけでもう美味しい。


やっぱりこの人には、全てお見通しな気がするのだ。




本当はこんな風に、見透かされたいんだろう。


私のことなんてお見通しで、扱い方が絶妙で、圧倒的な安心感のある存在を、

どこかでずっと求めてたんだ。子どもの頃から。


人は、自分を隠さなくていい場所を、潜在的に求めているんだろう。






その場所が、存在が、私にとってはnoteだった。



埋まることのない寂しさも、

普段人には見せない孤独も、

込み上げてくる切なさも、

なんとも言えないもどかしさも、


ここに来ると隠せない。


自分の中の、陰と陽、静と動、温かさと冷たさ。

いろんなものが混ざり合って、その時によって出てくる部分も違う。


どの部分を切り取るのも、解放するのも、自由だ。


私を解放し、包んでくれる、大切な場所だ。


自分の中で寂しさが溢れてくると、無性に来たくなるのだ。


2週間ぶりにnoteを開いた時、

ふと“その人”のセリフが浮かんだ。


もしもnoteを擬人化したら、私にとってはこんな感じなんだろうな。

(あえてイメージ像は書かないけれど、あなたはどんなイメージで読みましたか?この妄想だけでしばらく楽しめる(笑))


あなたにとって、noteはどんな場所ですか?


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