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きっかけの記憶(理想のパートナー編)


「あなたの理想のパートナー像を教えてください」


ふいに聞かれた時に、あなたはなんと答えるだろうか。


私も、ふいに聞かれると、どう答えていいか分からなかった。

ただ、その答えは高校生の私が知っていた


高校生の頃に、何度も何度も聴いていた曲がある。

それが、BUMP OF CHICKENの
『とっておきの唄』『リリィ』だ。


(こんな風に想ってくれる人と出逢いたい)
(こんな風に想える女性になりたい)

当時の自分にとって、この2曲には憧れが詰まっていた。


『とっておきの唄』

ゆっくりでいいから
君が本当に笑って泣けるような
地図にもない場所へ

とっておきの唄/BUMP OF CHICKEN

誰でも見かけほど強くないし
自分で思うより泣き虫だから
「一人で大丈夫」なんて絶対言わせない

とっておきの唄/BUMP OF CHICKEN

何でもない日も記念日にしよう
どんなにめくっても終わりがないかわりに続きがある
2人のアルバム
------------------------------------------------------------
何でもない日にも 小さなドラマがあるって気付いたんだ

とっておきの唄/BUMP OF CHICKEN



この歌詞に出てくる一人称の「僕」は、
大事な人である「君」の弱さや悲しみを知っている。

本当の意味で笑うことも泣くことも出来ていない

「君」の閉ざした心も。

すぐには癒えない心の傷があることも。

「一人で大丈夫」って言っちゃう
「君」の強がりなところも。

そして、そんな「君」の心を癒すには、
【何でもない日】の積み重ねが大切であることを。


さらに、「僕」のすごいところは、寄り添いながらも、
【ゆっくりでいい】と焦らずに待ってくれるところだ。



初めて『とっておきの唄』を聴きながら歌詞を読んだ時、
「僕」の暖かさに思わず泣いてしまった


その場に誰もいないのに、
なぜだか抱きしめられたような感覚さえあった。

嬉しくて、安心して、
自分の部屋のベッドの上で涙した記憶がある。


(やっと泣かせてくれて、ありがとう…。)



高校生の頃は、友達もいたし、彼氏もいた。

彼女たちも、彼も、大切な人だった。大好きだった。
信用していたし、信頼もしていた。

それでも、自分の心の傷までは、
話すことがなかなか出来なかった。


そんな時に出逢ったのが、この曲だった。

私を救ってくれたのが、この曲だった。


それ以来、私はBUMPの曲を毎日聴くようになった。

そして、その後すぐに虜になったのが、もう1曲の

『リリィ』

ホラ 出てくる弱音の数 1日分 想像つくかい?
ところが君は笑った 幸せそうに笑った
当然僕は怒った 「真面目に聞けよ!」って怒鳴り散らした
それでも君は笑った 「かわいいヒトね」と言った
叫んでも 唄っても その一言には 勝てる気がしない

リリィ/BUMP OF CHICKEN

これだけ僕が愚痴っても 僕の目を見て そんな言葉をくれた
「そういうトコロも全部 カワイイ人ね」と言った
ツクっても 気取っても その一言には全て見られていた

リリィ/BUMP OF CHICKEN


(うわぁぁぁあ……!!!!!この女性、すごぉぉぉお!!)

歌詞を読んだ直後にそう思った。


弱音を吐いたり愚痴を言ったり、気持ちが荒れてる「僕」に対して、
「そういうところも全部かわいい人ね」と笑える「君」の包容力。

「僕」にとっての救いであり、癒しであり、安心できる場所
であったことは、歌詞の続きからも感じられる。


(「愛する」ってなんて奥深いんだろう…。)


高校生の私には、この歌詞に出てくる「君」のような
心の余裕は全然無かった。

同級生の男の子と楽しそうに話していたことで
拗ねてしまった彼氏に対して
「いや、あの、そんなことぐらいで拗ねないでよ…。」

と、かなり冷めた目で対応していた。
(今思うと、ほんとごめんよ…。)


歌詞の中で、

「必死で格好つけた僕」に対して、
「恰好いいよ」と笑顔で答える「君」。


格好つけたくなる男性のプライドを傷つけることなく、
格好いいよって真っ直ぐに伝える素直さ。

それでも、格好つけているところも、
本当はそんな自分に押しつぶされそうなところも含めて、
「僕」のことを理解して包み込んでくれる「君」の優しさ。


私がすっかりこの「君」に惚れてしまった。


私も「君」のような女性になりたい!!

可愛くて、優しくて、寛大で、包容力のある女性に
なろうと決めたのだった。



ただ、このことをすっかり忘れていた。

「このこと」というのは、

自分にとっての理想のパートナー像には、BUMPの曲の影響があった

ということ。


自分の中の「憧れ」や「理想」や「大事にしたい価値観」って
意外と、ひょんなことがきっかけだったりもする。

でも、きっかけ自体は忘れていて、
自分の思想や選択基準の中に溶け込んでいることもある。


音声配信のコラボ収録の中で話題に上がった「理想のパートナー像」。

そして、収録の企画の1つであった「曲紹介」。


この2つが重なったことによって、
私の中の「きっかけの記憶」が結びついたのだ。



最近気付いたことではあるが、私の脳内には

“記憶の棚”

なるものがある。(と思う。)

それも、ラベリングされ、
なかなかに解像度高く、画質も良い。

記憶を再生すると、結構鮮明に映し出されるし、
その当時の感情の揺れ動きも思い出されることも多い。


ただ、しまい込んだままの記憶も多い。


ふとしたきっかけで、「きっかけの記憶」を
見つけ出すことが出来ることに気付けた。


それともう1つ。

当時は今のように、

感情を言語化する

ことは出来なかった。


高校生の私がこの2曲を聴いた時には、

『とっておきの唄』
・歌詞を読んだら暖かい気持ちになって思わず泣いてしまった
・こんな風に想ってくれる人と出逢いたいと思った
・なにこれ。めっちゃ好き…。

『リリィ』
・うわぁぁあ!!!すごぉぉぉお!!と感動した
・こんな風に想える女性になりたいと思った
・愛するってなんて奥深いんだろう…。

(高校生のもちゃの感想 ※記憶上の話)

これくらいの言葉でしか表現できなかったと思う。

今の自分だからこそ、
高校時代の自分の記憶に対して
理由をペタペタとくっつけて説明出来ている。

ただ、これも、
「当時の自分の記憶」に「今の自分が予測」して言語化しているから、
本当にそうだったかは定かじゃない。


それでも、
今の私が、高校時代の私の感情を言葉で表現してくれたことは、
なんだか嬉しい気持ちになるんだから面白い。

しかも今でも、
『とっておきの唄』に出てくる「僕」と
『リリィ』に出てくる「君」は、

あの時と変わらず、今でも憧れる存在であり、関係でもある。


私の大切な「きっかけの記憶」は、ふとしたきっかけで呼び起こされた。

そして、今の自分を通して、丁寧に装飾された。

こんな風に、楽しく上書き保存していけるなら、
いろんな記憶を覗いてみたい。

見たくなかったこと、
わざわざ見ようともしてこなかったこと、
自分では気付く機会のなかったこと、
まだまだあるもんなぁ…。


人と話すことで、どんどん出てくる気がする!!!

また出てきたら、こうして上書きしていこうと思う。

(今回きっかけをくれた彼女にはとっても感謝です!!!)


★最後まで読んでくれて、ありがとうございます!!!
(めちゃくちゃ嬉しいです……(><)!!!)


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