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#4 アメリカ高校入学面談の日

面談の日がやって来た。面談の場所は、詳しいことは分からなかったが、地元の教育委員会みたいな場所だった。私は何を着ればよいか分からなかった。父さんと話し合った結果、何故か日本から持ってきてた日本の制服を着ることになった。やはり、面談の時はちゃんとした正装を着るべきだということになったが、私が唯一持っていた正装着は制服だった。この選択が正しかったのか分からなかった。制服を着たくないと私は言い張った。しかし、私は結局制服を着て出かけることになってしまった。アメリカの学校でも制服を生徒に着用させる学校もあるらしいが、近所では見かけなった。この時、私はアメリカの学校でも制服の着用を義務付ける学校があることを知らなかったので、とても恥ずかしい思いをしていた。

受付のお姉さんに父さんは現地の高校の入学を希望している旨を伝えた。彼女は笑顔で親切そうだった。「分かったわ」と快くパソコンで何かを調べてくれた。彼女は赤と白のワンピースを着ていた。そして、彼女は父さんと話していると相槌を打つ度に、アハ(Uh-huh)と言った。私は彼女がミニーマウスにしか見えなくなってしまった。英語での相槌は、アハ、だと知らなかった私は余計に彼女がミニーマウスに見えた。

面談では、周りを見渡すと、ラフな格好をしている人が多かったため、特に制服を着用する必要はなかったように思えたが、面談はスムーズに終わったので私は満足していた。父さんが「これは日本から持ってきた制服だ」と担当してくれた女性に伝えると「可愛いわね」とお世辞かもしれないが、担当のおばさんはそう言った。私の英語力を判断するために、私は英語のテストを受けさせられた。私はさっぱり訳が分からず適当に解答した。しかし、試験官は「ナイス!」や「グッド!」など言っていた。私の解答はナイスでもグッドでもないことを察していたため、地味に腹が立った。

昼にタコベルというファストフード店に入り、食事することになった。父おすすめの店だという。私は早速メニューを見たが、何を注文してよいか皆目見当がつかなかった。とりあえず、メニューを見て知っている単語を探した。「タコ」と書いてあった。タコなら知っていると思い、タコを注文してみた。数分待ち出てきた料理はあのタコではなかった。私がよく日本で食べたあの赤紫と白い身の海の幸は出てこなかった。出てきたのは、私の想像と全く異なる「タコ」だった。赤豆とレタスの千切り、そしてひき肉がトルティーヤ生地に挟まれているタコスが出てきた。たしかにスペルをメニューに記載されているスペルを見るとtakoではなくtacoだった。私は当分間慣れるまで同じ間違いを何回か犯す予感がした。


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