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ヤングケアラー その支援-栃木県の取り組み

栃木県公式チャンネルにヤングケアラー支援に関する2本の動画がアップされていました。
まずご覧下さい。

【ヤングケアラー(中高生向け)】今日もわたしたちは家に帰る 〜その遅刻、本当に寝坊?〜|栃木県

【ヤングケアラー(おとな向け)】今日もわたしたちは家に帰る 〜急に変わった志望校。変わらない将来の夢。〜|栃木県

ヤングケアラーとはどういう子供なのか、ヤングケアラーの日常はどういうモノか、誇張なく描かれています。
どうにもこういう動画を観ると、涙が流れて来ます。

主人公は高校受験を控えた女の子。
小学生の弟とココロの病に罹っている母親との三人暮らし。
学校が終わるとスーパーのタイムセールをめがけて夕飯の買い物、帰宅してから炊事、洗濯、掃除。
母親の服薬管理も行いつつ、勉強もしなければならない。

これらの動画を観て、あなたはどう感じたでしょう?

家族の面倒を見て偉いなぁ、と美談のように感じましたか?
それとも「家族の面倒を見るのは当たり前」と感じましたか?
他にも様々な感じ方はあると思います。

母親は働いてはいるものの、職場での人間関係がうまく行かず、その愚痴を娘に訴えている。
親子の立場が逆転し、彼女は母親のカウンセラーのような存在になり、その愚痴を聞きながら母親を慰めている。
果たしてこれが「中学生」らしい家庭環境でしょうか?

子供が「子どもらしく」居られる環境、子供らしく居て良い環境を創る。
これがヤングケアラーだったり、虐待を受けている子供たちへの支援となり、それは官民一体となり、地域社会も巻き込んで進めていかなければならない課題です。

ではどんな支援の形があるのか?
そこもこの動画は示してくれています。

眠ってしまっている彼女に陽射しが当たらないようにそっとカーテンを閉める、買い物帰りの彼女の荷物を一緒に持ってあげている友達。

授業中の彼女の様子を観て、さりげない形で「こんな方法もあるよ」と提案をしつつもそれを強制はせず「一緒に考えて行こう」と言葉を掛ける教師、買い物袋を「載せていきな」と声を掛ける友達のお母さん。

決して何かを強いるのではなく、何かあればいつでも言ってね、というスタンスで寄り添うことで、彼女の人とのつながりや何かあれば手伝うよ、と言外に伝えていることによって、彼女に「独りではない」安心感を与えている。

このような信頼関係を築くことで、彼女も自分が悩んでいることを「話しても良い」「誰かを頼って良い」と思えるようになっていく様子が描かれています。

大切なのは「自分を犠牲にする」のではなく、子供が自分の夢、自分の生き方を「自分らしく」選んで生きて良いと思ってもらえるような環境を、周囲の人間が創っていくことです。

また動画の中でも話されていますが、あくまでこの動画に描かれるケースはヤングケアラーの実態を知らせる一つの形で、他にも様々なヤングケアラーの形があることを知っていくことも大切です。

下記のようなヤングケアラーを知らせるような指標のようなモノはありますが、そのどれにも当てはまらないから私はヤングケアラーではないとか、○○ちゃんと比べたらまだ私はマシ、と誰かと比べてしまうということはありません。

また当の子供たちにすれば、その環境が「当たり前」となってしまうため、自分がつらいとか苦しいとかが分からなくない、自分がヤングケアラーであると分からないこともあります。

子供が「子どもらしく」過ごせない環境には問題があり、その子供の支援は元より、その家族丸ごと支援が必要になると、動画の中でも語られています。

上履きに穴が開いたら「上履き買って」と言えるような、個人面談や三者面談の用紙を何の遠慮も気遣いもなく親に見せられるような、そんな家庭にしていけるよう、周囲の人間が支援をしていけるよう、この動画を参考にヤングケアラーについて理解を深めてもらえればと思い紹介しました。

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