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バランスを取る-私的二元論

これはカウンセラー資格を取り、個人的な修行として友人などを相手にカウンセリング演習を始めてからしばらくして自分の中で感じるようになったことです。

二元論とは「世界や事物の根本的な原理として、それらは背反する二つの原理や基本的要素から構成される、または二つからなる区分に分けられるとする概念」ということです。

例えば光があるところには影がある、なんていうのはそうですしカウンセリングの中でよくお客様に伝えるのは精神と肉体、ココロとカラダです。
「健全な精神は健全な肉体に宿る」と言いますが、その逆もまた真なり、と考えています。
カラダはものすごく元気なのにココロがめちゃくちゃ落ち込んでいる、という状況はほぼありませんよね?
またその逆もないはずです。

カラダの調子が悪くなるとココロも落ち込んでいくモノですし、逆にココロが調子良い時などは体調も良いはずです。
カウンセリングに来られるお客様にはまず、体調を整えましょうとお伝えします。
ココロに比べてカラダの方は例えば薬を飲んだり運動をしたり、生活リズムを整えることで回復がしやすいからです。
体調を整えていきながらカウンセリングでココロの方のケアをするという相乗効果で、全体的に調子を整えていくことが手っ取り早いと考えています。

例えば「善」と「悪」なんかもそうです。
人はそれぞれココロの中にその両方を内在しています。
もっともこれは何が全で何が悪なのか、その個人の価値観に委ねられている部分も多いのでどれが正解、というのは決めにくい部分もあります

人という一個体で考えてもココロとカラダのバランスが大切ですし、精神的な面で言えば自己肯定と自己否定もそうです。
また一個体としての自分と自分以外の他者とのバランスで考えると自己承認と他者承認というのもそうです。

以前マズローの基本的欲求5段階についてお伝えした際、その中に承認欲求(尊厳欲求)があるとお話しましたが、その承認欲求も2つに分かれます。
それが自己承認と他者承認です。
この自己承認は自己肯定と同義として、私はいつもお客様にお伝えしています。

これを二元論的に考えると自己肯定100%はあり得ないし、自己否定100%もあり得ない、となります。
ジャイアンとのび太の違い、みたいなものでしょうか。
両方とも半々くらいのバランスで居られたら、生きやすくなると考えています。
そのためには自己否定(出来ない)は伸びしろと考え、自分に与えられた課題として出来るようになる努力をしていく。
人は死ぬまで完璧になれず「出来ないこと」だらけですから、死ぬまで成長出来るという理屈はそこから導き出しています。
(何を持って完璧とするかというのは置いておきます)

そのためにはまず「出来ない自分が居ても良い、それは当たり前である」と自分を「肯定」することを常に意識する必要がある訳です。
それがよく言われる「あるがまま、そのままの自分を認める」という「自己承認」でもあります。
ただこれも自分だけを認めて他人は認めない、ということは無く、逆に承認欲求を満たすために「他者承認」だけを求めて自己犠牲とも取れる行動を取ってしまうことも良くないわけです。

他者との関係において自己承認と他者承認のバランスを取るというのは、まず今の自分を肯定しなければ、相手を認め肯定することも出来ない、ということになり、コミュニケーションの3段階においてその第一段階が「自己承認・自己肯定が出来ていること」となるわけです。

自分自身の中のバランス、自分と自分以外の人とのバランス、それぞれを考えてみるとその問題も見えてくるかも知れません。

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