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2022年に読み終わった洋書たち

まだ今年は1か月以上あるけど、そんなにサクサク読めるわけじゃないので、とりあえずまとめておこう。今年読んだ洋書は、全部で5冊。うち3冊は『ナルニア物語』からだか、これは後半にまとめて書くとして、まずはそれ以外の2冊から。

1)『Not a Penny More, Not a Penny Less』(邦題:百万ドルを取り返せ!) by Jefferey Archer

ジェフリー・アーチャーの1976年の小説。TVドラマなどもあるらしい。
ジェフリー・アーチャーの小説は日本語で何冊か読んだことがあるが、全部面白かった。
この本も日本語で読もうと思って図書館で借りたのだけど、あまりに汚くて閉口、どうせ買うなら英語版にしようと思い、原書で挑戦。

架空の石油開発への投資話に騙された被害者4人(スティーブン、ジェームズ、ジャン、ロビン)が結託し、首謀者から「1ペニーも多くなく、1ペニーも少なくなく」相手に気づかれることなく金を取り戻そうとする。
そんなにうまくいかないだろう~なんて思いつつ、ストーリー展開のうまさにひかれ、どんどん読めてしまう。
さほど難しい英語でもなく、読みやすい。登場人物の名前と、損した金額くらいはメモしておくとよいかも。約三か月半(2月13日~6月1日、時間数15時間5分)で完読♪

2)『The Glass Menagerie』(邦題:ガラスの動物園)by Tennessee Williams

約1か月半(総時間5時間16分)かかって完読。
100ページ足らずの薄い戯曲にしてはずいぶんと時間がかかった気がする。
登場人物は4人だけ。母、息子、娘、息子の友人。
場面もアパートの部屋らしき場所から動かない。
劇的な変化があるわけでもなく、正直つまらない。

でも、この『ガラスの動物園』は、テネシー・ウィリアムズによって、1944年に執筆され、同年、シカゴで初演。1945年3月にニューヨーク・ブロードウェイで上演されると1946年8月まで561回公演されるロングランヒットとなり、ウィリアムズの出世作となったとのこと。
これを劇場で見たら、どうなのだろう?と考えると、全然イメージが変わってくる。
戯曲にしては、小説のごとく、こまごまと背景などの演出法や音楽の設定まで書いてある。
イメージしながら読んでみると、音楽が聞こえてくる気がする、スポットライトの明かりが見えてくる。これを、演技力のある美男美女が演じれば、とても魅力的な作品になりそうな気がしてきた。
演劇は、何度も上演されるもの。ストーリーそのものより1つ1つのセリフや演出効果の方が心に残るだろう。そういう意味では名作と言えそうだ。


次に、『ナルニア物語』からの3冊。

3)『The lion, the witch and the wardrobe(ライオンと魔女)』 by C. S. Lewis (講談社英語文庫)

C. S. lewisの『The chronicles of Narnia』(ナルニア国ものがたり)は、1950年代の異世界ファンタジー小説。児童書だけど大人も楽しめ、ディスニーでも映画化された。
いつか読んでみたい(できれば英語で)とずっと前から思っていたものの、全7巻もあるということで、なかなか手が出せずにいた。

この『The lion, the witch and the wardrobe(ライオンと魔女)』は最も早く刊行され、もっとも有名、ということで最初に読んでみることにした。
4人の兄弟が、戦争中の疎開先の古いお屋敷の衣装ダンスを見つける。
このタンスが、実は「ナルニア国」とつながっていて、悪い魔女と戦うなど冒険をするお話だ。

ナルニア国の描写や冒険の話は普通に楽しめる。
ただ、アスランというライオンが何故生き返るのか、いくら何でもこじつけ感が、、と思ってどうも解せなかった。
読み終わってから、読みかけの『洋書天国へようこそ』(宮脇孝雄)をぱらぱらやったら、この本の話も出ていたので読んでみると、この場面は、キリストの受難そのものだとあった。なるほど、キリスト教国では、児童文学でも普通にこんな話が出てくるということ、頭にあったはずがすっかり抜けていた。納得である。

ハッピーエンドのようで、まだまだこれから続くぞ~感が満載。
『ナルニア物語』の刊行順は、
1.ライオンと魔女(1950年)
2.カスピアン王子のつのぶえ(1951年)
3.朝びらき丸 東の海へ(1952年)
4.銀のいす(1953年)
5.馬と少年(1954年)
6.魔術師のおい(1955年)
7.さいごの戦い(1956年)
ということで、この順に読もうと思っていたけど、

ナルニアの始まりから終わりまでの出来事を順番にして読む場合の年代記としては
1.魔術師のおい
2.ライオンと魔女
3.馬と少年
4.カスピアン王子のつのぶえ
5.朝びらき丸 東の海へ
6.銀のいす
7.さいごの戦い
とのこと。

ちなみに、読んだ方々の話では、初めて読むときは刊行順に読む方が分かりやすいとのこと。
後で読み返すなら年代順に読んでみる手もあるとか。

4)『Prince Caspian ( The Chronicle of Narnia ) 』(邦題:カスピアン王子のつのぶえ) by C. S. Lewis

「ナルニア物語」の2冊目。
「カスピアン王子のつのぶえ」は、刊行順では2作目、ナルニア成立順では、4作目にあたる。

刊行順1作目の「ライオンと魔女」で、ワードロープからナルニア国に紛れ込んだ4人の子供たち(ピーター、スーザン、エドモンド、ルーシー)、が、現実の世界に戻って1年後、今度は駅のホームからナルニア国にトリップする。
現実世界では1年でも、ナルニア国では1000年以上の時が流れていた。ナルニア国の王は、ナルニア人ではないテルマール人のミラース、魔法や妖精は忌避され人間が支配していた。ミラースは甥のカスピアン王子を迫害、助けを求めたカスピアン王子の吹いた角笛で4人が呼び戻されたのである。

4人のキャラは「ライオンと魔女」でわかっていたし、カスピアン王子の生い立ちなど、リアルでわかりやすく、初めのほうはかなりのスピードで読むことができた。
しかし、アスランと4人と、カスピアンが出会うあたりから、なんだかな~という気がしてくる。
まず、ルーシーにはアスランが見えるのに、他の3人には見えない、という設定がいらいらする。いろいろな生き物が登場するけど名前が全然覚えられない。
きわめつけは、カスピアン王子が、「まだ子供だから」みたいな感じになって、で「ピーター王」や「エドモンド王」が先頭に立つことになる。
おいおい、ピーターも、エドモンドも子供じゃなかったのか?
別に子供が活躍したってかまわない。ハリーポッターだって子供だったけど何ら違和感はなかった。だけど、さっきまで子供だったはずが、ナルニアについたとたんに姿まで変わってしまうのか?
タイムスリップ系は継ぎ目がうまくいかないとしらけてしまう。

ぶつぶつ言いながらも読み終えてみると、やはり全貌が分からないと気持ちが悪いので、また続きも読もうと思っている。

5)『The Voyage Of The Dawn Treader』(邦題:朝びらき丸 東の海へ) by C. S. Lewis
全7巻の『ナルニア物語』3冊目。
刊行順としては3作目だが、ナルニア成立順としては5番目にあたる。
今回は4人の兄弟のうち登場するのは2人だけ、ルーシーとエドマンドそして、いとこのユースチスも登場、カスピアン王とともに東の海を目指して航海する話だ。
途中で、様々な不思議な島や出来事に遭遇する。ユースチスが竜になってしまうところは面白かったが、そのほかは楽しいというほどでもない。
そもそも何で航海してるんだったか?読んでいるうちに忘れてしまった。
後でチェックしたら、「カスピアンの父の友である7人の偉人たちを探す航海」だったらしい。

感想文の短さから、3冊目で早くもテンションが下がってきたのがバレバレだが、実は7冊分が1冊になっている本も買ってしまったので、ここでやめるわけにはいかない。
しばらく違う洋書を読んでから、またこの世界に戻ってきたいと思っている。

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