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友人からもらった5冊の本

もうだいぶ日にちがたってしまったが、数年ぶりに友人と花見に行った時に、「BOOK OFFに持っていこうと思ったけど、読むならあげる」といって5冊の本を持ってきてくれた。
2冊はジェイン・オースティンの伝記、2冊は、英語学習物、そしてもう1冊がこの本である。

1)『物語 ウクライナの歴史 ヨーロッパ最後の大国』 by 黒川祐次 (中公新書)
最近話題の本なので、図書館で予約して見たけど、やっぱり自分で買おうかと考えていたところ、まさにタイムリー!

というわけでさっそく読みだしてみたけど、難しい。。
とにかく自分はウクライナのことを何一つ知らなかったことに気づく。
章のタイトルだけ挙げてみよう。

第1章         スキタイ―騎馬と黄金の民族
第2章         キエフ・ルーシーヨーロッパの大国
第3章         リトアニア・ポーランドの時代
第4章         コサックの栄光と挫折
第5章         ロシア・オーストリア両帝国の支配
第6章         中央ラーダーつかの間の独立
第7章         ソ連の時代
第8章         350年待った独立

スキタイとか、コサックとか、聞いたことはあってもウクライナとは結び付いていなかったし、ソ連だけでなく、リトアニアやポーランドオーストリアなど多くの国の支配下に置かれていた時代もあったこともまた知らなかった。
一度読んだだけではきちんと理解できないのは、他の歴史書と同様だが、現在の状況が今までの歴史と比べても激動期なので、これ以上の感想は控えたいと思う。

英語学習物2冊。

2)    『キリスト教英語の常識』 by 石黒マリーローズ (講談社現代新書)
日常使われる英語の多くの表現が、聖書から引用されているが、キリスト教圏(必ずしもキリスト教を信仰していることを意味するわけではない)の人々には普通の表現でも、我々にとっては、なかなか意味がつかみにくいものもある。
この本ではそういった表現をニュースなどで使われた生きた文章を例に挙げてわかりやすく解説している。知っているものも多かったが、へぇ~というものもあったりで、初めは興味深く読んでいたが、だんだんと同じような話の繰り返しで飽きてくる。そのうち、別にこの本に出ていることをいちいち覚えていなくても、ぶつかった時に調べたほうがよほど記憶に残りそうだな、という気がしてきた。
それでも、気になる所に付箋を貼ったりして、あとで読み返してメモしてからbookoffってことにしよう、と思ったが、読み終わってもう1度チェックするとメモしたいと思うようなところがガクンと減った。
残ったメモ:
・「幼子イエス」は、スペイン語でエル・ニーニョ。異常気象を表すことで有名な「エル・ニーニョ現象」は初めて影響が言われだしたのが、クリスマスの頃だったのでその名がついた。
・7つの大罪(The seven deadly sins)
Pride(高慢), Covetousness(物欲), Lust(色欲), Anger(憤怒), Gluttony(貪欲), Envy(嫉妬), Sloth(怠惰)
・7つの美徳(The seven cardinal virtues)
Prudence(賢明), Justice(正義), Fortitude(剛毅), Temperance(節制), Faith(信仰), Hope(希望), Charity(愛)
・英国国歌「God save the Queen」
この祈りの歌が作られたのは、1686年、フランス国王のルイ14世が病気になった時。祈り分は貴族の娘のための学校長ド・ブリトン婦人、作曲はイタリアの音楽家ルリーフ。1714年、ベルサイユを訪れたヘンデルがこれを聞き、ロンドンで牧師に英訳してもらい、ジョージ1世に献上。ジョージ1世が公式の儀式で用いることを決め、今や英国の国歌に。

3) 『聖書でわかる英語表現』 by 石黒マリーローズ(岩波新書)
同じ著者の『キリスト教英語の常識』よりも、こちらの本のほうが、よくまとまっていて内容も濃い。
最後にキリスト教の主な祝祭日が一覧になっていて、リファレンスにもなる。
これは保存版にするつもり。
なので、メモも少なめ。

4)   『大英図書館 シリーズ作家の生涯 図説 ジェイン・オースティン』 by ディアトリ・ル・フェイ (監修:川成洋 訳:太田美智子)
さほど厚くはないのですぐ読めたけど、続けて次の本を読んだら、どちらで読んだ話か分からなくなってしまったので、感想はまとめて。


5)   『ジェイン・オースティン伝』 by クレア・トマリン (白水社 訳:矢倉尚子)
この本は、ハードカバーで400ページと重いので、持ち歩けず、なかなかという感じだった。

『高慢と偏見』をはじめとする、ジェイン・オーステインの6冊の長編は(翻訳でだけど)、すべて読んだし、映画やドラマも結構見たし、解説書なども読んだので、新しい発見はないかと思っていたけど、そうでもなかった。
ジェインは、牧師の娘で裕福ではないけど貧乏というほどでもなく、生涯独身で40歳くらいで病死。でも、やはり独身の仲の良い姉もいてまあまあ幸せな生活という感じ?という抱いていたイメージはあまり変わらなかったが、「あまり変化のない日常」だったのかと思うととんでもない!
姉のほかに、兄弟は6人もいるのだ。甥や姪はたくさん。両親の兄弟(これもたくさんいる)の家族、近所に住む家族など、ものすごい数の人々がこの伝記には登場する。それもまた似たような(というか全く同じの)名前が何人もいるのでわけがわからなくなる。
初めのうちは後ろの方にある家系図に印をつけたりしていたが、途中から放棄。
その中で、姉カサンドラのほかに重要な人物は、従兄弟のイライザと兄のヘンリーだろうか。
イライザの人生は小説より奇なり、だし、それに負けず劣らずのヘンリーはジェインの小説出版に一番尽力しているから忘れてはいけない。

オースティンの小説には、相続問題がよく出てくる。世帯主が亡くなり子供が女の子ばかりだと遠い親戚の男性に遺産が行ってしまう、的な話だ。
実は、ジェイン自身もこの問題と無関係ではない。牧師の父が亡くなり、聖職録は兄が相続。牧師館に住んでいたジェイン、母、姉はしばらく定住する場所がなくなる。ただ、小説ほど悲惨ではなく、数いる兄弟や親せきが少しずつでも援助をしてくれ、贅沢はできなくとも日々の生活に困るほどではない。
親戚や近所には個性的な人々がたくさんいて、小説のネタには大いになっているようだが、事実を書くことはせず、あくまで小説として消化し、私小説のようにはなっていなので、長い年月が経っても色あせないのかもしれない。

そんな感じのことが、伝記を読んでおぼろげながら感じられ、また小説も読み返してみたくなった。でも今度読むときは、できれば原書で?なんていっていると、いつまでも実現しないだろうな。(笑)


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