別れの速度
春は出会いと別れの季節
よく聞くこの言葉を、今更ながらに突きつけられた
数日前、私の恩師であった先生が塾をやめた。
最後の授業と言っていたその日に私はバイトのシフトを入れ、最後の授業に先生を送り出した。
私がシフトに入った他の数日間の間にも、何人かの元教え子達が先生のところに来ていたのをみた。
年末にその先生が今年度で辞めるということを知り、当分いるだろうと思っていた私は驚きのあまり声を上げた記憶がある。
そこから約2ヶ月がたち、その日の当日までちゃんと実感することが出来なかった。
私のバイト先、元通塾していた塾には
先生方を授業に送り出す時、お願いします とスタッフや周りの先生がいう習慣がある。
恩師の最後を実感したのはその瞬間だった。
何気なく、いつも通り、仕事をした
はずだったのに、どんと心に何かが乗った気がした。
ああ、この言葉を先生にかけるの最後だ。と強く思ったのだ。
その先生のおかげで、数学が好きになり、私の数学への思いを全て変えてくれた。
得意になることが出来なかったのは悲しいが、それでも数学の世界を知れたこと、学ぶ楽しさを知れたこと。どちらも幸せな記憶であり、私を創ってくれた大切な1部だ。
最終日、その先生にお礼の品と手紙を渡した時。普段私が行っている事務・受付業務に対して、ほめてもらった。
先生が、私を元教え子として気にかけてくれていたことが嬉しかったし、私がその業務をできている、得意であると。言われたことが嬉しかった。
出会いと別れの季節
まだその速度に慣れられていないけれど、思い出を大切にしまって前に進めるようになりたいと願う。
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