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2024年1月に読んだ本

読書が趣味です。
X(旧Twitter)でも読書感想を投稿していますが、無料会員のため140文字のみ。
もう少し長く書きたい。
そう思い、noteにも投稿を始めたのが2023年9月の事です。
それからポツポツと投稿していますが、今回、2024年1月に読んだ本の内、まだこのnoteに紹介し切れていない本をまとめて投稿したいと思います。


江國香織童話集

江國香織。
実は初めて読みました。
デビューは児童書、童話だったのですね。
江國香織は恋愛小説家だと思っていたので、ビックリしました。

教科書にも掲載されている「デューク」、デビュー作の「草之丞の話」など、江國香織が主に20代で発表した35作品が収録されています。

私が気になったのは「南ケ原団地A号棟」
同じ団地に住む子ども達の作文に対して、担任の先生は「隣の芝生は青い」と無粋な事はせず、花丸を付けました。

加奈子ちゃんはれいこちゃんの家を羨ましい。
れいこちゃんは健一郎君の家が羨ましい。
健一郎君は加奈子ちゃんの家が羨ましい。

難しいですね。
小学四年生。
周りが見えて来て、比べてしまいます。
でも、それぞれの事情までは汲み取れません。
先生の判断が正しかったのかは置いておき、これは私たち大人にも当てはまる事かと思いました。
事情を鑑みないで、他を羨んでしまう。
そして、我が身の境遇を嘆く。
こんな時、あるなぁと。
それを少しコミカルに描いた作品だと思いました。

江國香織童話集


夢十夜

基本的に細野晴臣の夢の話です。
細野晴臣によると、夢は揮発性なんだとか。
なので、夢を見たら、しばらく動かず、記憶のまま日記を書いているのだそう。
今回は、その日記の内容の一部が書籍化されました。

前半は、朝吹真理子、リリー・フランキー、塙宣之(ナイツ)が、細野晴臣の夢のタイトルから着想した短編小説が各3本ずつ、計9本が掲載されていました。
ナイツの塙宣之が書いた作品で、漫才のシナリオみたいな話があり、とても面白かったです。

後半は、本当に細野晴臣の夢日記が掲載され、それに対し、細野晴臣が解説を入れています。
夢なので。
オチはありません。
そして、細野晴臣の人脈の広さが表れている夢もチラホラ。
この夢で、もしかしたら何か作品に繋がっているのだとしたら面白いです。

原作/細野晴臣
著/朝吹真理子,リリー・フランキー,塙宣之(ナイツ)
「夢十夜」


失われた地図

恩田陸が「蜜蜂と遠雷」で直木賞受賞後に発表した第1作目の作品。
ダークファンタジーだろうか。
主人公は鮎観(あゆみ)と遼平。
2人は元夫婦。今も一緒に裏稼業をしている。
一般人には見えない敵「グンカ」
それを退治するなりわい。
だが、それがそもそも離婚した原因。
2人には子どもが1人。
名前は俊平。
読み進めて行く内に、その俊平がどうやらキーマンなようです。
最後に俊平が謎の言葉を吐きますが、いい所で物語は終わります。
もしかして続編があるのだろうか。
探してみましたが、今の所、無さそうです。
続きが気になります。
伏線が回収されていないと思うのは、私の読解力が足りないのでしょうか。
また、本のタイトルも気になります。
「失われた地図」
本の装丁も今の東京の写真に、透明なカバーが施され、古地図が反転に印刷されています。
これがタイトルを意味しているのでしょうか。
私の考察力が不足しているのでしょうか。
「グンカ」は、昭和初期の戦争時代の兵士の幽霊みたいな存在です。
この「グンカ」がタイトルに結びついているのでしょうか。
それとも、主人公の元夫婦と子どもの、もう家族には戻れない事を指しているのでしょうか。
続編があれば読んでみたいです。

著/恩田陸
「失われた地図」


野火、奔る(のび、はしる)

あさのあつこの「弥勒シリーズ」の第12弾。
主人公は、小間物問屋「遠野屋」店主、遠野屋清之助。そして江戸奉行所の同心、小暮進次郎。決して友達ではない。でもどちらも気になる存在。このヒリつきがたまりません。
この2人の仲を取り持つような存在が、岡っ引きの伊佐冶。

今回の事件は、遠野屋の商いの要である紅を乗せた船が、船ごと消えた所から始まります。
一方、武家屋敷の外の路地で死亡している町人を調べる進次郎と伊佐冶ですが、どうやら裏がありそうです。

今後どうなるだろうと、ワクワクしながらページを読み進めたのですが、肝心な所で終わってしまいました。
この続きは13作目まで待たねばなりません。
一応、この作品だけでも楽しめるようにはなっていますが、この清之助と進次郎のヒリつきは1作目の「弥勒の月」から読んで頂いた方が、より感じると思います。
早く次作が読みたいです!

著/あさのあつこ
「野火、奔る」


ー守り人外伝ー風と行く者

精霊の守り人シリーズ。
完結しています。
全て読み終わったと、のんびりしていましたら、この外伝があると知り読みました。
この外伝の主人公は、女用心棒のバルサ。
幼少の頃、ある事件に巻き込まれ、義父ジグロと共に逃避行。
義父は元兵士。
とても強く、バルサは義父のようになりたいと義父から護身術や武器の使い方を教わります。
その義父は病気で既に亡くなっています。

今回の依頼は、偶然にも小さな頃に帯同した旅芸人集団(キャラバン)だった。
一緒に旅をしていく内に、当時の事が思い起こされていくバルサ。
また、当時、男盛りだった義父ジグロは、小さなバルサを育てるため、結婚はしなかったのですが、どうやらこのキャラバンの元女性リーダーと好い仲だったのではないだろうか、と今のバルサは考え込みます。
バルサは当時、独り立ちするにはあまりにも小さく弱かった。
だからジグロはバルサを守りながら過ごした。
でも、もし。
そんな境遇で無ければ。
ジグロも恋を謳歌出来たのではないかと、バルサが考えてしまうのは仕方のない事かも知れません。

今回の外伝も、今までの守り人シリーズ同様、グイグイ世界観に惹き込まれました。
そして、物語の最後に、ジグロの回顧と共に、安心して帰る場所のあるバルサに、とてもホッとしました。
守り人シリーズの後日譚が読めて良かったです。

著/上橋菜穂子
「ー守り人外伝ー風と行く者」


まとめ

読書は本当に面白いです。
今は電子書籍で手軽に読書出来るようになりましたが、私は紙の本も大好きです。
手触りとか、ページをめくるワクワク感など。

上記5作品の他にも、2024年1月に読んだ本は、伊坂幸太郎「マイクロスパイ・アンサンブル」、大塚ひかり「嫉妬と階級の『源氏物語』」、冲方丁「もらい泣き」、朝井リョウ「世界地図の下書き」。
つたないですが、このnoteに感想を投稿させて頂きました。
良ければ、そちらも読んで下さると嬉しいです。



ここまで読んで下さりありがとうございます。




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