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ほろ酔い読書。

金曜日の夜、だらだらワインを飲みながら本を読んでいる今週はとっても疲れたから、今日はとことん飲んでやるって意気込んでいる。お酒を飲みながら本を読む時間が好き。実際気持ちがそぞろでちゃんと読めることは少ないけれど…。

今読んでいるのは、三浦しをんさんの「白いへび眠る島」(角川文庫)もう何回目だろう?大好きで何度も読んでいる。「白蛇島」から改題されたようで、初めて読んだ時は以前のタイトルだったと思う。高校3年生の夏、隣町の図書館に初めて入った時に読んだ本がそうだったと記憶している。

高校3年生の悟史は、夏休みに故郷の拝島に帰省する。古くからの習わしが残る島で行われる、13年に1度の大祭、悟史の見る「不思議」と「現実」。悟史は幼馴染の光市と、「あれ」と呼ばれる怪物の存在の正体を探る。

物語はいつもそこにあって、物語の中の「彼ら」はいつも変わらずそこにいる。

それを読むわたし自身の年齢や置かれている状況によって、感じ方が変わることがある。だからこそ、読書は楽しいと思っている。この話は、初めて読んだのは高校生の頃で、それから大学生の時に文庫本を買い、社会人となった今でも何度も何度も繰り返し読んでいる。

初めて読んだ時には、自分自身が主人公たちと同年代で、ただ不思議な雰囲気が好きだった。自分が「大人」になって改めて読むと、長男が島に留まり、次男以降は外に出るのが当たり前とされる島で、将来を考える悟史の迷いや葛藤に共感する部分もあって、より深く楽しめるようになった気がする。同年代だった悟史や光市は、いつの間にか歳下になっていて、共感しつつも懐かしい気持ちになったりもして。

この先、また自分自身の状況や立場が変わったとして、そうするとお気に入りの物語が、また違った見え方になる気がして。自分の見え方が変わっても、変わらず好きでいられたらいい。でももしかして、読むのが辛い日が来るのかもしれない。それもまた一つ。その逆で、学生時代に読んだ時、主人公を好きになれなかったのに、大人になって読んでみたら楽しく読めたということもある。

だから読書は面白い。だからなるべく本を手放したくなくて、何度も何度も繰り返し読みたい。

読んでくださって、ありがとうございました。

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