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ハリウッド・キャリアの通過儀礼、「アシスタント」のすべて|ハリウッド流仕事の教科書 第1/6話

ハリウッドの現地スタジオで映像プロデュースに携わる筆者による、映画ビジネスの超教科書、第1話です。


「アシスタントの業務内容」


二人一組のチーム


ハリウッドでは、「エグゼクティブ」「アシスタント」二人一組のチームがあらゆる組織の最小単位を構成している。

「エグゼクティブ」とは、大手スタジオやプロダクションで一定程度の決定権を持つ被雇用者のことを指す。ただし本連載では便宜上、規模の大小を問わずハリウッドに拠点を置く数多の企業の内部で、彼らと同等の権限を持つクラスの人間を総じて「エグゼクティブ」と呼ぶことにする。

平たく言えば「上司」という日本語がきれいに当てはまる肩書きだが、彼らの部下である「アシスタント」との関係やハリウッド独特の機能について後々議論していくことを考えると、こう呼ぶ方が適切だと判断した。その具体的理由は連載後半で詳述する。

全6話構成(予定)となる本連載では「エグゼクティブ」と「アシスタント」の具体的な関係に着目することで、それがハリウッドにおけるビジネスのスピードや常識的感覚をいかにして定義し、ひいては日米の商慣習にどのような違いを生じさせているかについて言及する。

第1話となる今号は、二つの役職への漠然としたイメージを感じ取ってもらうことからはじめたい。

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