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【北海道1日目】道東に上陸する ー釧路ー

2022年7月。1ヶ月の有給休暇を取得した。

季節は夏。東京は短い梅雨が終わったと同時に猛暑日を更新し続け、体温と同じくらいの熱気を放っていた。急いでこの地から離れないと、暑さで頭がおかしくなってしまいそうだった。

そんな中での長期休み。最初からやるべきことは決まっていた。迷いは一切なかった。そう、北海道旅行である。

この機会に行ったことのない場所に足を運びたい。まだ見ていない景色を目に焼き付けたい。それができる時間とお金ができた。行動するには今しかないと思った。

ここからは、北海道に2週間滞在する旅の記録を、つらつらと綴っていこうと思う。

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まずは羽田空港で腹ごしらえ。お気に入りの新大和にて和定食を食べようとしたが、営業時間が変更になったからかメニューになかった。焼魚の気分だったのに、と少し残念な気持ちになりながらも、蕎麦を美味しくいただく。

搭乗手続きを済ませ、滑走路を覗いてみる。この日は曇り時々雨。どんよりとした空が遠くまで広がっていた。どうやら1週間後まで雨が続くとのこと。天気に恵まれないのではないかと、一抹の不安を覚える。

その後飛行機へ乗り込むも、トラブルにより出発が遅延。なんと幸先の悪い。帰って来れるか以前に、無事辿り着けるのか心配になる。

予定より30分程遅れて釧路空港に到着。釧路駅行きの次発バスが何時に出るかわからなかったので、とりあえず急いで発券機で乗車券を購入。なんとか間に合うようだ。

空港を出たところで記念に1枚撮影。木彫りの熊が可愛い。「ようこそ」という文字を見て、北海道にやって来た実感が少しだけ湧いた。

阿寒バスに揺られながら、開けた道をひたすら進む。平野を抜け、阿寒川を渡ったあたりから、徐々に市街地の風景が広がっていった。

釧路駅にて下車。なんともノスタルジックな風景。曇り空も相まって、より寂寥感を漂わせている気がする。のんびりと街並みを眺めながら、宿泊地に足を運ぶ。

本日の宿ゲストハウスプルーフポイントに到着。四角い外観で壁の色が紺と、オシャレな造りをしている。2段ベッドが4つある女性専用ドミトリーに案内された。

完全に移動日と決めていたので、この後の予定はない。軽く荷物を整え、せっかくなので散策してみようと外に出た。

徒歩5分の場所にある幣舞橋へ向かう。ここから見える世界三代夕日が格別とのことで楽しみにしていたが、曇天の空模様のため期待はできない。

静かに流れる釧路川には、小さな船がいくつか並んでいて、周辺にはカモメが飛んでいる。風で水面が柔らかく揺れていて、息を吸い込むと磯の香りがした。

少し歩いたところにある繁華街に並ぶレストラン泉屋へ入店。地元民である友人に勧められたので、訪れてみた。レトロな雰囲気の店内に置かれている食品サンプルの量に驚く。

ここに来たら絶対に食べてほしいと言われた「スパカツ」を注文。数分も待たず音を立てた鉄板が運ばれてきた。ミートソーススパゲティの上に大きなトンカツがどっしり。これはすごい。

ソースの味は甘めで優しく、トンカツは肉厚でジューシー。スパゲティは鉄板でカリカリに焼かれていて、とても美味しかった。なんとも癖になる食感。また来たい。

移動の疲れを癒やすべく、日帰り温泉釧路パコの湯へ向かう。大浴場にて何種類かのお湯を堪能。露天風呂は別の階にあるため移動しなくてはならないというのだから、面白い。全裸でエレベーターに乗るのは人生初の経験だった。もちろん露天が最高なのは、言わずもがなである。

湯船でしっかり温まった後、再び幣舞橋へ。すっかり日は暮れ、少し降った雨のせいか気温が下がっていたが、心地良い気候。ライトアップされた川沿いがあまりにも綺麗だったので、立ち止まってしばらく眺めていた。

宿に戻ると、ドミトリーには別の観光客が入室していた。長崎から来た女性で登山が好きとのこと。とても気さくで明るい方だった。これからの旅程について楽しそうに話す彼女の声を聞きながら、眠りについた。
【北海道2日目】牡蠣を食べる ー釧路・厚岸ー に続く。

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