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だから Netflix は最高。

今年のお盆は、U-NEXT にお試し加入し、猛烈に韓国ドラマを観まくりました。なぜなら、観たいドラマがいくつか U-NEXT の独占配信だったからです。(ちょっと〜独り占めしないで〜!)

その中のひとつに「梨泰院クラス」でお馴染みパクソジュン主演の「キム秘書はいったい、なぜ?」という作品がありました。

タイトルのタイトルらしからぬ感じにややモヤッとするのですが、それはともかく話は最初から最後まで面白くて、あ〜また観たいなぁと思い返すことが多々ありました(無料期間に解約した。ごめんなさい!)。

しかしなんと、この「キム秘書はいったい、なぜ?」が、Amazonプライムと Netflix での配信を開始したと言うじゃありませんか!嬉!

ということで歓喜し即視聴に走ったわけですが、一連の流れで思わぬ学びがあったので、こちらにまとめてみることにしました。

「キム秘書はいったい、なぜ?」の配信状況を時系列で確認

まずはじめに、各サービスでの配信状況を時系列で確認させていただきます(何?って感じですが、重要なので)。

❶ U-NEXT で独占配信
→察するに契約が切れたのでしょう(今も U-NEXT で観られるのかは不明)
❷ 2020年9月末 Amazonプライムで配信開始
❸ 2020年10月1日 Netflixで配信開始

これだけ観ると、Netflix はプライムに先を越されたように見えます。しかしここで、Netflix をよく知る人ならピンと来ます(知らんけど)。この日程の差に、ちょっとした「期待」を抱くのです。

同じ作品を配信するだけなのになぜ「期待」の余地があったのか。それは、もともと独占配信をしていた U-NEXT の配信方法にあります。

U-NEXT で「キム秘書はいったい、なぜ?」を観ると...

まず、わたしが U-NEXT で観て最初に驚いたのは、このドラマのエピソード数の異常な多さです。その数なんと「32」。

32?いつ終わるの?韓国ドラマってのはまぁ長いということは理解できてたけど、32?大河ドラマですか?

しかし観進めてみると、やがてその謎は解けます。1話目、ラストが明らかに、ヒュンッと、スンッと、急に終わるのです。次回予告も無し。「妙にあっさりしてんなぁ」と思いつつ次を観進めると、2話目の始まりも、ヒュンッと、スンッとしている。2話のラストを迎えて初めて「これこれ、これが”おはなし”のラストっぽい感じよ!」となり、構造を完全に理解。U-NEXT では、1話を真ん中で分断して、2話に分割していたのです。

ネット配信なのにそんな珍妙な編集をするのはなぜなのでしょうか。察するに、これは、日本のテレビで放映するために編集されたものをそのまま扱っているからなのです(たぶんね、合ってると思うけど一応たぶんと言っておく)。

ドラマの製作者側からしたら、話の一連の流れ、始まり方、盛り上がり、エンディング、あらゆることを考えて、考えて考えて構成をつくっているだろうに、異国の放送時間の都合でぶつ切りにされて放映されてしまうのは非常にやるせないだろうなぁと感じました。複雑な気持ちです。

作品自体はとても面白かったけど、謎の編集が入りモヤモヤが残った。これがわたしの U-NEXT 体験でした。(でもまぁ、主婦とか、小刻みに観たい人にはありがたいぶつ切りだろうね!)

Amazonプライムで「キム秘書はいったい、なぜ?」を観ると...

U-NEXT が独占配信していた「キム秘書はいったい、なぜ?」が、Amazonプライム・Netflix で配信されるようになる、と知ったのは SNS でした。その情報を知ったときは、既に Amazonプライムでの配信が始まっていました。

先述したとおり、「おや? Netflix ってば先手を取られた?」と、その瞬間は思いました。でもすぐに、「あ〜〜〜ハイハイ、ですよね〜」と納得。Amazonプライムでの配信方法は、U-NEXTと全く同じ(たぶんね)だったのです。全32話で話は2分割。同じ映像データを扱っているのだろうな、と推測されます。

こうなったら、Netflix への期待が一気に高まります。この間に「Netflix は何かを準備しているのだろう」、という期待です。

というかそもそも、Netflix の字幕は、各国の翻訳テキストが、なんつーの?なんか、テキスト情報として画面に表示される、そんな感じの仕組みです。ひとつの作品を観ながら、「日本語字幕」にしたり「オフ」にしたりできるし、「英語字幕」に変更したりもできますよね。(一方プライムは、日本語字幕と吹き替えで、別物になっています。)したがって Netflix は、U-NEXT や Amazon プライムのように、日本で放送された日本語字幕付きの映像データを、そのまま配信することはできません(しません)。必然的に、作品の元データ(字幕情報が付いていないもの)が必要になるのです。

10月になって Netflix を観たとき、なんとまぁ「かっけ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜」と思ったことか。

Netflix で「キム秘書はいったい、なぜ?」を観ると...

まずは真っ先にエピソード数をチェック。「16」...!Netflixで韓国ドラマを観まくる人なら見慣れた「16」という数字...!これよこれ!

そして、1話目を再生し、人差し指でスクロールし(ごめんなさいね、確かめたいことがあるから今だけ早送りさせてもらってます)、1話目の終盤の、「"おはなし"のラストっぽい感じ」!これよこれ!

そしてラストを終えると、恒例の、「静止画ダイジェスト」...!(詳しくはオモコロのこの記事を。こちらの記事、共感しまくった。)

からの、次回予告...!これよこれ!

「これよこれ!」の連続で、なんだか、心がスカッとしました。ずっと「解凍された死に切った魚」を食べさせられていたところに、急に「とれたて鮮魚の刺身」を振舞ってもらった、そんな気分です。あっぱれ!

たまたまの Netflix の事情・仕様ももちろんあるのでしょうが、とにかく、作品や製作陣へのリスペクトが感じられ、それだけで感動して、心にグッときました。

そして、感動はそれだけでは終わらず、さらに嬉しさが込み上げた事柄が。

待望の「クリエイティブそのままのタイトル字」

初めは気づかなかったのですが(もしかして追いリリースされた?)、数日後、作品選択画面に、日本バージョンのタイトル字の画像が使われるようになっていました。

韓国ドラマの日本版クリエイティブで近ごろ話題になってる問題と言えば、「むやみやたらにキラキラさせられる」という、例の件。Netflix 前の「キム秘書はいったい、なぜ?」も、残念ながら例外ではありませんでした。

❶まずは韓国バージョン(オリジナル)を観てみましょう。

↑非常に良いビジュアルですね。韓国のグラフィックってすごい好きです。色の組み合わせが洗練されていて、無駄がない。あとパクソジュンがとてもかっこいいところも良い点です。

しかし...

❷日本バージョン(Netflix 前 = 日本のテレビなど)

↑いったい、なぜ?こっちが聞きたい。(でもまぁこういうクリエイティブの変貌もわたしは間違いだとは思いません。キラキラの世界観、無くはないので!しかしながらデザイナ的観点から言えば、「経緯、謎。」が占める割合の方が多いですね!)

そして...

❸お待たせ!Netflix の日本バージョン画像はこちらです!

継承されてる〜〜〜〜〜〜泣!これが良いか悪いかは置いといて、とにかく、継承が、されている〜〜!

一時期画像検索をしまくっていたのでわかるのですが、これ以前は、「韓国版ビジュアルを継承した日本版ビジュアル」なんて存在してませんでした。つまり、あたらしく、つくられている〜〜!Netflix 〜!

Netflix は、毎ドラマこのような制作をしてるのでしょうか、その辺りはよくわからないのですが、とにかく、今回ひとつのドラマで一連の流れを見てきて、この「製作陣リスペクト的最高配慮」に気づくことができました。

目先の利益 vs ブランドの価値

一連の流れを経て、「っく〜〜〜〜〜!やっぱり Netflix がいちばん!」と確信しましたし、期待をさせ、さらに期待を裏切らない Netflix に、改めて脱帽しました。

確かにスピードも大切ですし、世の中には配信方法なんて気にしない人も多いのかもしれません。スピードを優先せざるを得ない場面も、きっとあるでしょう。ただ、わたしにとってこの差は非常に大きく、この件をきっかけに Netflix をさらに好きになったことは事実です。そして、このような配慮にわたしと同じ感情を持った人は世界中で何万人、何十万人といるのだと思います。これらがもたらす効果はいかほどか。きっとこの何万人、何十万人かは、この先もずっと変わらず、Netflix のことが大好きでしょう。

「サービスにとって大切なものを見極め、少しの差のために多くの労力をかけて準備し、着実に、誠実に出す。」

サービスをつくる側の人間は、この感覚を決して忘れてはならない、わたくしはそのように思います。

以上!

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