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入学して1ヶ月が過ぎた大学新入生に伝えたい心構え。

もう何年も前の4月に、
早稲田大学の政治経済学部の皆さん向けに講演をさせて頂きました。

ひとりでも多くの人に意味あるように響くと良いなと思い、
ここに話した内容のエッセンスを一部載せます。

どちらかと言うと、
この文章は入学して1ヶ月後ぐらいに新入生が読むと効果を発揮するかと思います。

そう正に大学1年生がやる気に溢れて入学してきたのに、なんだか色々と空回りしてしまい、このゴールデンウィークの後には意気消沈・目的を見失う人が多いんじゃないかなと。

僕が大学1年生時のゴールデンウィーク明けに腐っていたように、
多くの人が腐りそうになっているかもしれない。

だから、このタイミングで大学生は勿論、
そうでない人にも是非読んで欲しいと想い、綴っております。

まず、改めて自己紹介をさせて頂きます。

太田英基と申します。
自分自身、特に優秀な人間でもなんでもなく、
受験時は偏差値50ギリギリないぐらいの至って平凡な高校生でした。

模擬試験は本気で駄目でしたが、日常の学校の定期試験を頑張ったのと、
委員会活動や部活をやっていたのと、皆勤で通学していたのが評価されて、
志望校大学に指定校推薦を頂くことが出来ました。

そうして大学に入学した4月、遊び呆けました。
自慢じゃないですが、新入生歓迎コンパは20回ぐらい参加しました。

ほぼ毎日4月はコンパに参加していたのです。
どのサークルに入ろうか、大学生を謳歌する気満々でした。

そうしているうちに5月を迎える。

大学の授業にも慣れ始めた頃。
僕は経営者になりたいと漠然と思っていて、
その為に経営学科に入ったのだが、授業では数百年前の歴史の勉強から始まった。株式会社の成り立ちについて等。。。

アレ・・・。
自分が学びたかったことってこんな事だったっけ・・・?

もっと実学的で、仕事に役立つような能力獲得をイメージしていた僕は、
なんだか授業に対するモチベーションを失いつつあった。

サークルも複数を掛け持っていた為、
なんだかどれも中途半端に顔を出すような状態だった。

そんなこんなで、5月のGW明けた頃、腐ってしまっていた。

夕方まで大したモチベーションも無く授業に出て、
夕方からはサークルに顔を出して、
夜帰ってきてはバラエティ番組を見ながら携帯でメールを打つ日々。
深夜に眠りにつき、またゆっくりと朝起きて授業に出る・・・。

そんな日々を10日間ほど過ごした頃だった。

大きく浮かんだ疑問。

この生活を続けていて、高校時代にいわれていた

『やりたいことは大学に行けば見つかる!』

という言い伝えは叶えられるものなのか・・・?ただの都市伝説なのか?

実際、見つかる気が一切しない。
まだ大学入学して間もない自分が思うのはオカシイかもしれないけれど、
とにかく当時の僕は見つかる気がしなかった。

自分の可能性を拡げに、見つけに、
そして経営者になる為の学びが欲しくて大学にきたのに、
このままではマズイ・・・。

そして、同時に親への申し訳無さが込み上げる。

僕は 宮城県出身。
僕の家は超絶貧乏なわけではないが、金持ちというわけでもない。

そんな家庭から、私立大学に子供を送り出して、
しかも学費だけではなく、
家賃等の仕送りまで出してもらっている。

それなのに、自分はこの暮らしっぷり。
自分はただの金食い虫じゃないか。

本気でそう思った。思えた。
ここまで育ててくれた親に対して申し訳ない。

今だから言えることだけど、
その当時はこの親への申し訳ない想いが、一番自分を突き動かしたように思える。

そこからなんとか一念発起しようと思考開始。

そして、2つの事を決めた。


(1)自分の視野を広げること。

→やりたいことが真に見つかっていない自分は、
やりたいことを見つける為の行動をしなくてはならない。
それなら、色々な人に会ったり、色々な活動に参加して世界を広げよう。

(2)経験値を手に入れてレベルアップすること。
→どんなに広い世界のことを書物でみて知識として蓄えていても、
自分に実践力が無ければ、意味がない。僕は学者になりたいのではなく、
経営者になりたいのだ。それならば実際に経験値となるような行動をしよう!

この2つを頭に叩き込んで、
これからを過ごしていこうと決めました。(なぜこの2つかは以下に詳しく。)

そうして大学生だけで経営を行うBARのメンバーとして採用されたり、
中小企業診断士の資格講座を受講し始めたりしました。
そして、その1年後にはタダコピというコピー用紙メディアサービスで実際に起業しました。
(無論、すべてがうまくいったわけでもありません。)

間違いなく、人生の分岐点でした。
あそこで気づけた僕がいたから、今が在るのだと心底思います。

早く、新入生の皆にも気づいて欲しい。

漠然と大学生活を過ごしても、
やりたいことは見つからないということに。

実際問題、僕はこれまで多くの学生と話しをしたきた。(就活支援もしていたので。)

圧倒的大多数の学生が、自分のやりたいことが見つからずに就職活動を迎えて、そのほとんどの学生が見つからないまま卒業をしていく。

ですが、大丈夫!
学生時代にやりたいことが見つかる人のほうが希少種だと思います。

何故かわかりますか?

この世界は広い。とてつもなく大きい。
アナタはこの世界をどれだけ知っていますか?

恐らく、学生が知っている世界は、ラーメン屋で出されたラーメン丼の中で言えば、チャーシュー1枚程度の容積でしょう。

んー、ちょっと例えが無理矢理ですかね。笑
いつもジェスチャーや図で示すので、、、。

この社会全体が50階建てのビルだとしたら、
学生が知っているのはせいぜい5階ぐらいまででしょう。

(僕もたいして変わりませんが・・・。)

50階あるビルの5階までしか知らないのに、
『んで、君はこのビルの何階でどんな事をしたいの?』
と質問されても・・・

偽物のように形作った回答はつくれるけれど、
心の底から本気で叫びたいと思えるような回答は出てこない人がほとんどだろう。

それは心底やりたいと思えるものに、まだ自分が知る世界の中で出会っていないからです。

『この人を好きになりなさい!!!』
と、突如命令されても、中々好きになることは出来ないですよね?

でも、一目惚れってありますよね?
出逢った時には・・・!ってやつです。

アナタはまだ出会っていないだけなんです。
アナタが知りうる世界の中にないんです。やりたいことが。

だから、広い社会を知る努力を長い人生続けていきましょう。
もっと視野を広げていきましょう。広げ続けましょう。

運が良ければ学生時代に見つかるかもしれない。
運が悪ければ40歳過ぎても見つからないかもしれない。

でも、探し続けなければ見つかるわけがない。これ常識。
探しもしない人に、探し物が見つかるわけがないんです。

もう1点、大切な事は、
運良く、やりたいことに出逢えた時に、
それを実行・実現できるだけのチカラがあるかどうかです。

実力を身につけるような努力をし続けて行きましょう。

そうしないと、
『あったよ!俺の登りたい山!でも、高すぎて無理だわ・・・。』
という事態になります。

『遂に見つけたぜ!俺の山!この為に腕を磨いてきたんだ!』
是非、こう言えるように在りたいですよね。

どうでしょうか?
少しだけでも僕が言いたいことが伝わったでしょうか。

学生時代は4年間しか有りません。
この時間の使い方で大きく変化してきます。

ただ、漠然と過ごすのではなく、
目的意識を持って毎日を生きること。

目的を持って、ゼミの研究テーマを究める。
目的を持って、サークル運営で組織運営を究める。
目的を持って、留学をする。
目的を持って、旅をする。
目的を持って、本気でアルバイトをする。
目的を持って、本気で資格取得勉強をする。
目的を持って、興味のある企業でインターンシップをする。
目的を持って、社会に貢献できるプロジェクトを始める。
目的を持って、ビジネスをしてみる。

なんでもいいんです。(正確には良くはないが。)

就活時に企業の採用担当者が気になって見ているのは、
学生時代に何をしてきたのか

ではなく、
目的は何で、その為に何をしていたのか

だと思えます。

同じ事をしていても、目的意識の持ち方と、
それに対するアプローチの考え方があるのと、無いのでは大きく違います。

今一度、自分の大学生活の過ごし方を考えるキッカケになったなら幸いです。

尚、上記に長々と書いたことは僕自身もそうですが、
社会人の皆さんにとっても同じことがほぼ言えます。

社会人の皆さん、やりたいこと、見つかっていますか?

人生は一度きりです。
時間は有限です。
不謹慎な発言かもしれませんが、いつ死ぬかもわかりません。

勿論、どんな経験だって無駄じゃありません。
無駄なことなんてほとんどありません。

ただ、限られた時間の中で、近道なのか、遠回りなのか。

いつ死ぬかわからない人生ならば、
早く自分の登りたい山を見つける努力をするべきなのと、
その山を制覇できるだけの実力を身につける努力をしていくべきだと考えます。

最後に。

新入生の皆さん、
海流の流れに沿って泳ぐ、魚群の中の1匹にならないで下さい。

自らの意志で、自らが泳ぐ場所を決めて下さい。
周りに流されないで下さい。隣にいる人の生き方に合わせる必要はありません。

何も考えずに、世の中の流れはこうだし、皆もこっちに向かって泳いでいるし、僕もこっちでいいやというのだけは辞めて下さい。深海魚だっていいんです。

そして、20代のうちに自分で自分の可能性を殺さないで下さい。
アレも出来ない、コレも無理、ソレは前やったけど失敗したから無理、
そう考えるのではなく、諦めずに挑戦して下さい。

限界は、自分自身が勝手に創り出した虚像です。
限界ぐらい余裕で突破できるはずです!
どこかで、諦めたり、妥協するから突破できないのです。
みんなまだ若い。日本人の平均年齢は48歳ですからね。笑
お互いに頑張りましょう!

最後に、
先輩の話も、先生の話も、どんなに偉い社長の話も、政治家の話も、
鵜呑みにして自分に置き換えてはいけません。
今回の話も自分自身の考える素材にして下さい。
あくまで料理をつくりあげるのは自分です。

以上、長文となりましたが、新入生の皆さんへ、
先に大学生を体験した僕からでした。

太田 英基
http://twitter.com/mohideki/

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株式会社スクールウィズ(School With Inc.)の中の人。約2年ほど世界一周していました。タダコピ共同創業者。 https://corp.schoolwith.me