父から届く荷物

 時々、実家から荷物が届く。
荷造りは父の担当だ。几帳面な性格で、荷物には必ず荷造り紐がかけられている。しかも、その紐の結び目は片縄結びになっていて、荷解きする人に優しい。驚く程の握力で絞められた紐はピンと張っているのに、紐の端を引っ張るとスッと解けるのだ。
 そんな父からの荷物だか、ここ数年変化してきた。少しずつ紐の張り具合が弱くなってきている。
 もう何年も逢っていない父の老いを、私は荷造り紐の張りの緩みで感じる。
そして、少し切なくなる。

 お礼の電話をかけると、電話口からいつもの声が聞こえた。少しホッとする。
「ゴメンね」と、私は心の中で言った。


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