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「感じるオープンダイアローグ」を読んで

『感じるオープンダイアローグ』読了しました。こちらはaudiobookではなくKindleにて。いつも一緒に性教育の活動をしているはぐ♡ラボの聖さんに勧めてもらいました。

精神を病んでいる人や、何らかの困難を抱えている人が、薬ではなく、医療的ななにかではなく、ただ対話によってこころが癒やされていく…という不思議なスキーム、以前から少し興味はあったのですが、やっとまとまった本が読めた。「オープンダイアローグ」は、フィンランドで生まれたものだそうです。これは文字通り、ざっくり言うと「開かれた対話」ということです。

筆者は精神科医をされている方なのですが、筆者自身の深刻かつ、人生の核に迫るような自己開示を織り交ぜた内容で、淡々とした語り口が逆に心に響きました。なぜその人がこの行動をしているのか、短い文章の行間から、言葉以上のものが伝わる。

本というメディアだけど、この人の心と対話しながら読み進めているような、そんな不思議な感じでした。筆者の、人とのつながりを求める心と、透明な良心にすごく感銘を受けて、営業中に涙を流してしまったのは内緒。(暇なんでしょというツッコミは受け付けませんよ、くそコロナ退散しろww)

オープンダイアローグは、決して特別なメソッド(方法論)ではない、と書いてありましたが、これは、わたしが今まで模索してたどり着いた、自分なりの占いカウンセリングのやり方とすごく近いなあ、と感じました。

当たり前だけど、持ち込まれる問題に対しては、わたしは直接は無力で、でも、お客さんの立場や気持ちを理解しようと寄り添い、そこに違う視点を持ち込んで、たくさん対話をする。そうすると、ちょっと視界がひらける。日々やっているのはそんなことです。

タロットや占星術は、話の整理にはとても有用で、わたしの優れた右腕なんだけども、でも、本質的はこれはあろうがなかろうが、いいんだと思っているし、それも公言してる。わたしが最大に貢献できているのは、そこではなくて、お話そのものなのだと思う。

いちばん大事なのは、みんなが違う立場で、それぞれの視点、それぞれの心で、ベストを尽くそうと思っている、ということ。でもお互いの気持ちが伝わりきらないせいで、すれ違ってしまう。

そういうものやストレスを解決するのは、「正解」でも「訴訟」でも「お薬」「治療」でもなく、ただ対話なのだ、というのを、別の分野の方から伺えたのは、とても良かったです。

これは、ちょうど今並行してaudiobookで聴いている『7つの習慣』の5つ目の習慣、『まず理解に徹し、理解される』という原則との親和性もすごく感じました。(これは人間関係の構築の基本で、対等な立場での傾聴+対話、ということの大事さを説いているもの、と理解しています)

↑この内容がまた素晴らしくて、子育て中の自分がやりがちな間違いをたくさん釘刺されて、ああ気をつけよう…!と気が付かされることがたくさんあります。

子育てに限らず、すべての人間関係の問題は、対話の不足から生まれるんだなあと思います。相手に問題があると思っているうちは、問題はなくならないです。(※これは、単純に自分が悪い、という意味でもありません)

対話というものの追求、わたしも日々行っていきたいと思います。これは、性教育の社会活動にとっても、ものすごく大事なことになるでしょう。

性的なアダルトコンテンツの扱いや、ゲームやスマホ等のメディアと子どもたちの関係について、たぶんわたしの意見は、一般的な大人とは異なる部分が多くて、対話のシャッターを閉められているなあ、と感じることがたまにあるんですね。

これはたぶん、妥当性とか正しさを伝えようと頑張っちゃってるせいが大きいと思ってて、きっとわたしは、もっと大事なことを伝える必要があるのでしょう。すなわちそれは、なぜわたしがそう思うか、そう思ったかの自己開示です。そしてまた、正反対の意見を持つ方の、大事な心を、まだまだわたしは聞けていない。対話のシャッターを閉めているのは、きっとわたしもそう。

よりよい社会を作りたいと思う心は、みな同じ。みんなの意見を合わせることで、よい効果、よいアイディアを、みんなで作っていけるといいなあと思います。

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