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シャーロックホームズ対伊藤博文(著:松岡圭祐)【ワトソン君、まだ読書紹介の謎がわからないのかね?「まあ僕は今回、ほぼ出番がないからね」】

松岡圭祐といえば「千里眼」シリーズで名を馳せた先生ですが、
これは独立長編。
ライヘンバッハで死んでいたはずのホームズが、
ほとぼりを冷ますために日本へお忍び。
ところがそこで本邦の伊藤博文と出会ってしまう。
(まあ伊藤博文が元老特権で隠れ家を提供したんですが)

そういえば、伊藤博文といえば韓国のあの人にテロられた人ですが、
(変換で出ない)
実は、伊藤閣下も若いころは英国大使館をテロっていたヤンチャ時代があり、そのせいでホームズ先生は伊藤閣下にご立腹であられます。
ワンチャン、ツンデレの可能性もありますが。
まあ、ないですね。

しかしホームズ対伊藤博文というタイトルですが、どちらかというと、対決するというよりは、伊藤閣下がホームズ先生に依頼を出す流れでよろしゅうかと思います。
敵するはロシア皇太子ニコライ。後の皇帝ニコライ二世その人です。

大津事件の流れから分かるように、ニコライ皇太子は我が国に対して、積年の屈辱を晴らしたい由がある模様。

英国外務省からの(つまりはホームズの兄マイクロフト氏、どうでもいいですが、ビルゲイツはここから会社名を取ったのでしょうか、いやどうでもいい)要請もあるのでしょう。

ホームズ先生も目の前に謎があると、がぜん猫にかつおぶし状態になられることもあり、なんだかんだいって、この依頼を受けられたそうです。

***
ミステリ度は高くはないです。
そもそもホームズ先生は、意外と足で調べる探偵ですからね。
安楽椅子探偵とかではないです。
地道に調査しなければいけません。
解かれる謎も、それほどあっと言わせるようなものでもない。

ただ明治の東京をホームズが闊歩するというだけで、シャーロッキアンは喜びますね。
19世紀が舞台の作品はそれだけでイイっ!

ニコライ皇太子を引き下がらせるための方法論としては、ロシアの革命運動と、皇太子の弟である大公殿下の話が出てきます。

ホームズがどうやって皇太子をやりこめるかについては、無粋なので止めときましょう。
ただそんなにミステリ度は高くなく、
すべての謎はつながっていたのだ!とかいう謎が解かれる感動はあまり感じませんでした。
そういう作品ではないのです。

がしかし、コナンドイルが大川隆法に呼び戻されて書いたと言われたら、信じますね。とりあえず。まず大川隆法を呼び戻さないとあかんが。

なお、タイトル写真は東京駅の天井です。

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