見出し画像

Dimension W(著:岩原裕二:2019年完結:全16巻)【あらゆるアニメ感想の問題は科学の力によって解決可能です。それも具体的かつ速やかに。え?なんですって?解決するのはそこじゃない? まあ、それも確かに科学的真実ではあります】

ディメンションダブリュー です。

好きなSFです。部屋の中に置いているとエンドレスに読んでしまうんですよね。
五億年ボタンを押しても、これを読んでたら、しのげます。

私が読んだのはマンガ版で、アニメ化もされてますが、そちらは観たことはありません。

世界観を解説すると、

アインシュタイン級の天才、百合崎 士堂 博士によって発見されたW次元と、そこから無限のエネルギーを生み出す「世界システム」の開発によって、人類はエネルギー問題から完全に開放されました。
環境問題もついでに解決です。
W次元に直結する「コイル」をつけることによって、そこから無限に電力を組み出すことができます。
「真空からエネルギーを取り出す」みたいな話ですね。

しかし「世界システム」にはとんでもない欠陥があり、
まずは「ニューテスラ」という企業がコイル生産と流通を独占していること。
それどころか、コイルには初期不良があるらしいこと。
非正規品のコイルを使うと、暴走して、時空間ごと壊れた廃棄物になること。
そのためにニューテスラ社は非正規品を回収するための秘密作戦を行っていること。
まだあります。
それはW次元が思っていたよりはるかに○○○○○○○○○○○○○。
そしてW次元が○○すると○○が○○すること。

そして百合崎博士は何者かに妻子を殺されており、そのことからニューテスラ社と袂を分かったこと。
そしてコイルを動力源に使うアンドロイドたち。
それも百合崎博士の妻、百合崎セイラ博士が作った「ミラ」は、これまでとは違う、人間と同じような心をもったアンドロイドであったこと。
(このロボットが心を持つというのも、コイルとW次元の効力です)

このミラがヒロイン役です。
主人公はフリーの回収屋、マブチ・キョーマ。
キョーマは元特殊部隊グレンデル(ニューテスラ直轄)でしたが、今はフリーです。
武器は投げ串。この男が圧倒的な強さで活躍するのが基本。
ヒロインであるミラは、まだ自分に秘められた秘密に気がついていません。

まあネタバレはこれくらいでいいでしょう。
後は読んでいくたびに明らかになっていきます。

***

岩原先生のマンガは、「ダーカーザンブラック」コミカライズ(マンガ版オリジナルストーリー)で知りました。

この人の作風はとにかく理知的で、良くできたミステリのように細部の整合性がきっちりと取れています。
なんというかドイツちっく。(ドイツ映画を観て感じる感想です)
いや、技術チックです。

SFやミステリでありがたいのは、こういう細部の詰めの細かさです。
後から突っ込めるようなところが少ないんですよね。
まあ突っ込まれてもエンタメだろ? という話なんですが。

それでも話の流れに誤解の余地がないと、ストーリーが複雑でも、ちゃんと読めば細部のつじつまがすべて合うのです。
伏線もばっちりすべて回収!すべてに意味がちゃんとある!
意味のない構図は一枚もありません。
これはわかりやすい!

それでいて、テーマも良く、ハッピーエンド至上主義者なのか、ちゃんとオチも読者が確実に喜べる方向になっています。
そういうのはマンネリだ、と思われる向きもおられるかもしれませんが、
これはオチまでの流れが理知的で丁寧なので、マンネリ感はありません。
替わりに納得感があります。
納得感のある感動!!
隙がない。
超展開に見えても伏線が丁寧なので無理感は皆無です。

これぞ科学の力という感じ。
科学って、ヒントはすべて出ていて、後は発想の転換だけ、という発見が結構ありますもんね。科学ってミステリです。

良作です。
私が読んだ限りでこの作者の作品、今のところ外れ無しです。
今は何を書いてるんだろ?
ちょっと興味がわいてきたっぞ。

#マンガ感想文 #SFが好き #SF #アニメ化 #マンガ #アニメ  
#科学 #エネルギー問題 #ミステリ #伏線回収 #論理的
#技術的 #脚本が緻密 #理知的 #ハッピーエンド至上主義
#納得感 #アンドロイド #世界の滅亡 #少年マンガ
#世界の秘密 #事件 #仕事人 #テーマ #脚本至上主義

この記事が参加している募集

マンガ感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?