河村瑞賢

文明と地図を考える その24 「元禄国絵図」(中編)

前回は、1697年に編纂が命じられた「元禄国絵図」を理解する前提として、5代将軍徳川綱吉の治世について触れました。
綱吉、そしてその先代家綱は、戦国遺風の払拭、長きにわたる戦乱の世で形成された、命を重んじない価値観の変革のため、生類憐れみの令をはじめとする倫理観に関わる諸改革を実行しました。

以前の記事を読まれると、今回の内容がわかりやすいかな?と思います。

その19その20その21その22 その23

さて、今回はその続き。
家綱や綱吉の時代、価値観の変革のための諸法令を出しはしたものの、やはりその背景に見え隠れする、経済的な困窮の解決が根本的な解決には必要でした。
そして、やはり家綱・綱吉の時代には、経済的に大きな変化が起きた時期でもありました。
このことは、一見関係がないように見えても、社会的な事象は連動していることをよく示している例だと思います。


というわけで今回のテーマは

江戸時代の官製日本地図⑥
徳川綱吉の治世と元禄国絵図(中編)

です。

徳川家綱~綱吉の時代の経済情勢は、一体どのような感じだったのでしょうか。

まずは、再度大まかな年表を、経済・文化の話を中心に見てみましょう。

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