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File.2 部員になりませんか?【部員図鑑:なちょ】

ぼく:もくもく部副部長。
なちょ:鹿嶋市に移住してきた女性。市内で様々なアクションを起こしている。クールな見た目に反して、いつもウサギ耳をつけている。


2020年9月16日。
この日は鹿嶋市内のコメダで、ある人との待ち合わせだった。鞄には荒削りで未熟なもくもく部の資料が入っている。

待ち合わせの相手とは初対面。
初対面といっても、ぼくはその人のSNSを見ていたので有名人と会える感覚でソワソワしていた。

「さ、き、に、お店に入ってます、と…」


「お一人ですか?」
「待ち合わせです。先に来てるみたいで…」

「…あっ!こっちですよ!」

やってきた人物は、クールなショートカットの雰囲気とは裏腹にグレーのウサギ耳のカチューシャをつけて現れた。それが彼女のトレードマーク。ウサギ耳をつけて活動する。
SNSで見てはいたけれど、いざ目の前にするとなかなかに非現実的な光景だった。

「こんにちは。はじめまして、なちょといいます!今日はよろしくお願いします。」

なちょさんは市内のまちづくり界隈では、ちょっとした有名人だった。
20代半ばで鹿嶋へ移住し、地域おこしのために様々なアクションを起こしている。コミュニティスペースを運営し、場づくりにも力を入れている人だ。情報発信にも力をいれ、たぶん、ぼくなんかよりも地域情報に詳しい。
写真撮影もデザインもこなせるのをSNSでみて、いつかデザインの話をしてみたいと思っていた。(ぼくは仕事ではないけれど)

もくもく部として連絡をとったのは、
場づくりで活躍する彼女にアドバイスをもらえないだろうか、という考えと
単純に、この地域でこんなコミュニティを作ったんだ!ってことを知ってもらいたかったからであった。

「今日はお会いできてうれしいです。ダメもとで連絡してよかった」
「いえいえ。SNSで見て、私もどんなコミュニティなのか聞いてみたかったので!」

想像しよう。



「…なるほど〜」
「まだハッキリこう!という感じではないんですけどね。やりたい方向性はこうだな、って。ちなみに、こういう活動で覆面っていうのはありですか?」
「あ、それは全然いますよ!ネットに顔出ししない人たち」

ぼくの未熟な話を、彼女は時々ズレるウサギ耳を直しながら真剣に聞いてくれた。

「率直に、めちゃくちゃ面白そうな組織だなとおもったし、私も何かやってみたいなと思いましたよ。それに、面白いことを考える人だなぁって、今、感心してます」


これには素直に嬉しくて、照れた。
まだ自信のない部分が埋まって、ぼくの望む世界がもっと見えた気がした。


「あの。もしよろしければ、もくもく部部員になってくれませんか?応援部員でもいいので…!」

「ぜひ!何かあったら協力させてください!また、もくもくを語りましょう」

もくもく部初の、部員誕生だ!



===

それから、まちにおいてある観光ガイドブックがクソださくない?とか、鹿嶋に素敵なチラシやデザインがないことに2人で嘆いた。
できればお金をかけて、ちゃんとプロに頼んで作って欲しいよね、とか。
ハッキリと「ださい」って言ってくれる人なんだと、ぼくは喜んだ。




部員は半分フィクションで半分現実です。
ぼくたちは、いわゆるふつうの人で
人口6万人の一部にしかすぎません。
地域のためには動いてないかもしれません。
でも、だからこそ愛をこめて、こんな人が
このまちで生活しているんだよと伝えたい。
それが【部員図鑑】シリーズです。
半分フィクションなのは、もちろん秘密結社だからですけどね。

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