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時をかける読書(あれ?こんな話だった?)


森絵都の『カラフル』を10年以上ぶりに読んだ。

とても面白かった。
その感想は、また改めて違う時に書こうと思う。


本の内容自体とは別のことで、
忘れないうちに書いておきたいことがある。




本を読み進めながら

あれ?これ、こんな話だったっけ?

という感想を抱いた。


一度読んだことがあるはずなのに、
覚えていないシーンばかりだったのだ。


前回読んだ時は、中学生くらいだったと記憶している。


その時「おもしろかった!」と思った記憶や、天使が出てくることなど、ぼんやりとした輪郭は覚えていたが、詳しい内容は完全に忘れていた。

「確か、ああいうシーンがあったはず」と思っていたシーンが出てこなかった。
(じゃあ、あのシーンはどの本だよ。笑)




それから最近、子供の頃に読んでいた絵本が本屋にあったので懐かしくて買って娘に読んであげたら

あれ?これ、こんな話だったの?と驚いた。


私の記憶の中の話と全然違ったのだ。
絵は見覚えがあるので同じ本であることは間違いないのだが。

子供の頃の私は、絵しか見てなかったのかな。
文字読める年齢だったと思うんだけどなー。



図書館で小学生の時に大好きだった本があって、懐かしくてまた読み返したくなり借りて読んだら、

あれ?こんなあっさりした物語だっけ?
と拍子抜けした。


子供の頃は超おもしろい大冒険のお話だったと思っていたのに、特に大きな事件も感動もなく、あっさり読み終わった。笑

それどころか「え、こんなに怖い表現あったっけ?」と驚いたりもした。全く記憶になかった。




本は、変わってない。

変わったのは、私のほうだ。


私の理解力や視点が変わっただけ。
(そして忘れていただけ)

成長、変化した証。

10年後に読んだらまた違う感想を抱くんだろうか。




時をかける読書、おもろいわ。

自分の変化を知れる、いい物差しになる。
ちょっとタイムカプセル的な感じもある。

未来の自分が二度楽しむためにも、
今のうちにたくさん読まねば。


読書って、年単位で時間をかけて楽しめる贅沢な遊びだなぁ…としみじみしたアラサーの春。

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