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いい子でいること

何もしないで居たいけど
何もしないと生きていけない。

生きる理由があるとするなら
「生きている」から「生きる」だけだ。

誰だって死ぬのは怖いよ。
でも「生きてる」のも怖いね。

不安だから保険に入る。
でも不安は消えないな。
困ったときに助けてくれる人は少ないし
多くの人は自分のことで精一杯だから。
将来を考え過ぎて安心を求め過ぎて
苦しいな。

今、手を繋いで口付けした
僕の愛した人だって
いつか死んじゃうんだ。
僕だってそう。
死んだら何もしてあげられないし
そばにも居られないんだ。
僕らは冷たく眠る。

不安の中で息をする。
溺れたり
目を瞑ったり
飛んだり

何かに夢中になって
死を忘れて
人生捨てたもんじゃないなんて
笑い転げたりしてたけど

鏡を見て思い出すのは
自分が歳を重ねたことだけだった。

いつまで「良い子」で居ようか
とても息苦しいのにね。
笑っちゃう。

誰かに優しくしたり
やりたい事も出来ないで
顔色を伺って
「あなたのせいで僕の人生は…」
なんて言いながら老いてしまうのか。

風を抜け山を越えたこの脚も
何かを描き続けたこの腕も
動き続けることなく
いつか止まってしまうんだね。
そう言って夜空を見上げて星を眺める。

この星に人間として生まれた以上
僕らは限られた時間の中で生きている。
あの空に輝く星だって命燃やして
いつかは輝きを失うように。

命燃やして輝きたい。

誰かの何かになる為じゃなくて
明るい空の中で見えなくなった星みたいに。

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