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父の故郷に想いを馳せて

#どこでも住めるとしたら

「どこでも住めるとしたら」
このタイトルを見たとき、真っ先に思い浮かんだのが
父の故郷 長野。

長野県といってもすごく広いけれど、父の故郷の町は、
私が住んでいる東京からも行きやすく、私が小さい頃は
毎年のように父の運転する車で遊びに行っていた。

父の実家付近は、最寄り駅から少し離れていて、
古き良き日本の雰囲気が色濃く残っている地域。
家の前の道は狭く、道の脇には用水路があり水が流れている。
道を歩く度に父から「落ちないようにな」と言われる、そんな道。

いつもとは違う雰囲気の、この道を歩いて散歩をするのが楽しみだった。
探検をしているような、わくわくドキドキとした気持ちが溢れてくる。
そんな気持ちを感じたのを今でもよく覚えている。

この雰囲気を味わうのと同じくらいに嬉しかったのが、父が育ってきた場所で、父といろいろな話をし、父のこれまでの人生を近くに感じるような、
そんな感覚になれたことだった。

普段から優しくて、ユーモアがあって、頼りになる父。
何か心配なことがあっても、父が「大丈夫だよ」と言ってくれるだけで
本当に大丈夫な気がしてくるから不思議。
そんな父が子どもの頃から大好きだった。

だからこそ、そんな父が育った町を父や母と一緒に歩けることがとても幸せな時間だった。

私自身、いまは2人の子どもの母親となり、父と父の故郷で過ごした時間が尊いものだったと改めて感じるようになった。
そして、あの自然豊かな、夜は虫の声だけが聞こえるような、静かで、
暖かい雰囲気に包まれたあの町での子どもたちとの暮らしを想像すると、
何とも心が躍るような、それでいて穏やかな気持ちになる。

結婚と同時に、東京に住むことを決め、現在に至る。
今後もそれが変わることはないだろう。


けれど、「どこでも住めるとしたら」

私は、父の故郷での暮らしを想い描く。



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