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「京都祇園もも吉庵のあまから帖」シリーズの取材で、「半兵衛麩」さんを訪ねました。

 元禄2年創業の330年以上も続く老舗。

 オフクロが「麩」が大好きで、京都へ出掛けた際には必ずと言っていいほど「半兵衛さんで「餅麩」を土産に買って来て、甘辛く煮たものが食卓に並んだものです。

 

 なんとなく、原料が小麦粉であることだけは知っていました。

でも、作り方まではわかりません。

「半兵衛麩」の玉置剛社長から教えていただいた製造法を、「京都祇園もも吉」8巻の中で、こんなふう説明させていただきました。

 

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 麩は小麦粉から作るのだという。

遥風は、好きな食べ物なのにそんなことさえも知らず、恥ずかしくなった。

小麦粉に水を加えて練り、いったん寝かせた後、大量の水ででんぷんを洗い流す。やがて水が濁らなくなった時、強い粘りと弾力のある塊ができあがる。それが麩の主原料の小麦たんぱくだ。なま麩は、その小麦たんぱくにもち粉を加えて蒸し、それから水で冷やす。焼麩は、小麦たんぱくに小麦粉を加えた生地を釜に並べて焼く。いずれも単純な工程に見えて難しいという。

 「毎日、同じ小麦たんぱくはできまへん。365日気温や湿度が違います。蒸すのも冷やすのも、また焼くのも毎日、その状態が日々、刻々と変化するので職人が経験から肌で学び取っていくしかないのです。そやから、それを習得して一人前の職人になるのにどうしても10年はかかってしまうのです」

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写真は、大量の小麦粉を、水で洗って洗って洗って、とことん洗った末に残った小麦たんぱくです。 

手で触れた感触は、「もっちり」「ねっちり」と、ものすごい弾力性があります。

 

 「麩」と言えば、

味噌を塗った「麩田楽」が、私の一番の好物です。

京都が大好きではありますが、生粋の名古屋人なので、やっぱり八丁味噌が好き!

八丁味噌に、砂糖と酒と、それに味醂を少しを混ぜて特製味噌だれを作ります。フライパンでこんがり焼き目をつけた「なま麩」に、その味噌だれを付けて、今度はほんの少しだけオーブンで温めます。

ああ~これぞ日本の味。

たまりません。


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