大西桃子(ライター・無料塾代表)

ライター・編集者で、経済的な事情を持つ中学生を対象にした無料塾の代表。出版社2社、電子…

大西桃子(ライター・無料塾代表)

ライター・編集者で、経済的な事情を持つ中学生を対象にした無料塾の代表。出版社2社、電子出版社1社勤務を経て2012年よりフリー。書籍、夕刊紙、雑誌などで執筆・編集を行う。無料塾は2014年4月からスタート。地域の子ども食堂の広報も担当。

最近の記事

中野区の地域包括ケア推進会議というのに出ています。

どうもサボり気味になっているnote……。またまた久しぶりに書きます。 私は去年から、「中野区地域包括ケア推進会議」という区の会議に、委員として参加させていただいています。この会議って何やってるの?っていうのをいつかnoteとかで書きますねーとTweetした記憶があるのですが、まだ一度も書けていなかったのでした。。。 今日ちょうど、その会議があったので、まとめておきたいと思います。 地域包括ケア推進会議って何? 地域包括ケア推進会議とはなんぞや……という話なんですが、ま

    • ヤングケアラー記事の、執筆後記です。

      内閣府「こどもの未来応援国民運動」PRの一環で、ヤングケアラーについての記事を書かせて頂きました。 最近、ヤングケアラーという言葉も広まってきており、各自治体の中でも地域課題として捉えているところが増えています。 私は昨年から、中野区の地域包括ケア推進会議の委員になっていますが、こちらの会議でもヤングケアラー支援事業への取り組みを進めるという話が出ています。 ただ、ひと言でヤングケアラーと言っても、ケースは本当に幅広く、根本的にケアラーにならなくてもいい方法を見つけるのは

      • 学習支援団体が抱える課題など。記事執筆後記です。

        私が無料塾を立ち上げて、ちょうど丸9年が経ちました。来月からは10年目に突入です。 立ち上げ当初は無料塾、学習支援という活動はほとんど注目をされていなくて、子ども食堂という言葉も誰も知らないような状態でした。私のいる中野区でも、他に無料塾はなく(ネットで調べたらひとつ、民青がやっていた形跡があったのですが、ホームページは更新されておらず連絡しても返信はない状態でした)、とにかく細かいことはやりながら考えよう!というスタートでした。 でも、ここ4〜5年でだいぶ全国に増えてきて

        • 寄付についての記事を書かせて頂きました。執筆後記です。

          内閣府「こどもの未来応援国民運動」PRの一環として、4本の記事を書きました。 1本目は先日noteでご紹介した「フードパントリー」の記事。2本目は「寄付」をテーマにした記事です。この2本はITmediaさんに掲載。 ちょうど今日、Twitterのスペースで、認定NPO法人D×P代表の今村さんと、「#こどものいのちはこどものもの」(児童虐待をなくす活動)をされている犬山紙子さんがお話をされていたのですが、その中で、日本の寄付文化についても少しお話をされていました。 子ども支援

        中野区の地域包括ケア推進会議というのに出ています。

          フードパントリーの記事を書いて思ったこと!

          コロナ禍が始まった2020年以降、子ども食堂がみんなで集まって食べる〝食堂形式〟がとれなくなったり、困窮家庭を緊急的に支援する必要性が高まったりということを背景に、「フードパントリー」の活動が広がっています。 私が代表を務める無料塾でも、子ども食堂と連携して2020年春から生徒たちにフードパントリーを月に一度実施、現在も続けています。 生徒たちに渡しているのはお米やパスタ、野菜や果物、レトルト食品や缶詰、お菓子などなど。ときには文具や生活用品なども届けています。 これらの

          フードパントリーの記事を書いて思ったこと!

          大卒のほうが幸せ、ではなくて。

          無料塾の卒業生で高3になった子から、大学に指定校推薦で合格したとの連絡がありました。 私も受験して合格した大学で、私は結局そこには行かなかったのですが、学生時代はその大学の近くに住んでいたこともあり、なんだか親近感を感じてとても嬉しく思いました。 この時期は、高校生たちから大学や短大、専門学校へのAO入試や指定校推薦で合格したという連絡や、就職が決まったという連絡が届きます。 今年も大学進学が決まった子の他、やりたいことができてAOで専門学校に行くことになったよとか、今月就職

          大卒のほうが幸せ、ではなくて。

          「子ども食堂はないほうがいい」というお声について、考えを記しておきます。

          久しぶりの更新となってしまいました。 冬にnoteを通じてご寄付くださった方、また7月にご寄付くださった方、誠にありがとうございました。御礼が遅くなりまして大変失礼いたしました。 さて、先日、子ども食堂について(そして政治のあり方について)ちょっとTweetをしたところ、多くの反響をいただきました。 こちらのTweetは、運営に携わる無料塾や子ども食堂を代表しての意見ではなく、個人として投稿させて頂いたものとなります。 共感、賛同してくださった方も多くいらっしゃれば、ご批

          「子ども食堂はないほうがいい」というお声について、考えを記しておきます。

          「二月の勝者」で無料塾にもスポットが。

          夏以降、更新をサボっておりました。あけましておめでとうございます。 昨年秋〜冬のドラマで、『二月の勝者』(日テレ)が放送されていましたが、みなさんご覧になりましたでしょうか。 中学受験を題材にしたお話なのですが、なんとそこに、無料塾が登場したのでした。主人公の進学塾講師・黒木が運営する無料塾「スターフィッシュ」。テレビドラマの中で無料塾が出てくるのは、『みかづき』(NHK)以来でしょうか。 『みかづき』は森絵都さんの小説が原作になっており、こちらも塾講師・経営者たちのお話

          「二月の勝者」で無料塾にもスポットが。

          「有料の塾に通えさえすればOKではない」無料塾の意義とは?

          7月23日に、私が代表を務める中野よもぎ塾主催で無料塾セミナーを行いました。無料塾の認知度を高めるため、最低でも年に1度はやりたかったのですが、昨年はコロナで断念。2年ぶりとなりました。 セミナー前半では、なぜ無料塾が必要か、どんな子どもたちが来ているかという基本的なお話と、コロナ禍で各団体がどのような工夫をしているかという報告をさせていただきました。 後半は、無料塾についてより理解を深めて頂くため、座談会をセッティング。下記3人の方にお話しいただきました。 ●教育ジャ

          「有料の塾に通えさえすればOKではない」無料塾の意義とは?

          公共の施設の運用方法、見直してもらえないかな……(愚痴です)

          この夏、うれしいニュースがありまして。 私が運営している無料塾にかつて通っていた大学生と、彼と同い年で高1から学習指導ボランティアに来てくれていた子が、新しく無料塾を立ち上げることになったのです。 そりゃもう全面的に応援させていただく所存なのですが、立ち上げ準備の話を聞いていて、「だよね〜〜」と苦笑してしまったのが、「施設利用の壁」。 区内には会議室のある区営施設がたくさんあり、地域の団体が無償あるいは安価で利用できるようになっているのですが、これがちょっと使いづらいんで

          公共の施設の運用方法、見直してもらえないかな……(愚痴です)

          2020年度、コロナ禍での無料塾の取り組みまとめ

          先日、中野区の社会福祉協議会が主催するシンポジウムに登壇してきました。生活困窮者や子育て世帯、外国籍の子の支援、また高齢者の居場所づくりなどを行っている団体が、コロナ禍でどのように工夫して活動をしてきたか、どんな課題があるかといったことを発信するシンポジウムです。 私は第一部で、無料塾のこの1年の取り組みについてざっくりとお話をさせていただいたのですが、せっかくなのでnoteでも改めてまとめておきたいと思います。 まず前提として、私が運営している「無料塾」の活動内容につい

          2020年度、コロナ禍での無料塾の取り組みまとめ

          教育格差のうしろにあるものを考える

          先日、「通信制高校ナビ」というサイトでこんな記事を書かせて頂きました。 教育格差の背景についてお伝えする内容で、この課題を研究されている広島経済大学教養教育部の前馬優策准教授に取材をさせていただきました。 この記事を書きたいと思ったのは、教育格差、あるいは学力格差について話すときに、やはりどうしてもまだまだ「そんなの本人がやる気になればどうとでも状況を変えられる」「家にお金がないからといって勉強をやらない本人、教育をおろそかにする親が悪い」と、自己責任や親の責任ととらえて

          教育格差のうしろにあるものを考える

          ICT教育について無料塾代表・取材者の立場から整理

          今日、某新聞社からICT教育についての取材を受けたので少し考えを整理しておきます。教育のオンライン化については、無料塾代表の立場からも、あるいはこのテーマで何度か取材してきた者としても、いろいろ考えることが多いのですが、自分の頭の中であまり整理されていない状態に気がつきました。 今日お話をした記者さんは、なんでもかんでもICTというのは違うのではないか、GIGAスクール構想が進み1人1台端末が配られたとして、家庭の経済状況(Wi-Fiが契約できないなど)によってさらに格差が

          ICT教育について無料塾代表・取材者の立場から整理

          学生さんへの支援団体も増加中。学びが止まりませんよう。

          先日、NHK「あさイチ」に、運営している無料塾を取材していただきました。 おかげさまで、同番組でも取り上げていただいたAmazonほしいものリストからのご寄付もたくさん集まり、生徒たちへの学習サポート以外の支援も充実してきました。番組を見て、ボランティアで参加したいとご連絡くださった方々も。 子どもへの支援の必要性というのは伝わりやすく、このようにメディアで取り上げていただくことで多くの方から助けていただくことができます。 私は自分の見ている子たちをあまり大衆の面前にさらし

          学生さんへの支援団体も増加中。学びが止まりませんよう。

          ひどい2021年の幕開け。ケンカしてる場合じゃなくなりました。

          ひどいことになっています。子ども食堂や無料塾に関わっている中で、もともと低所得世帯だったご家庭が、さらに追い詰められているのを感じます。 食費を切り詰めるしかなく、子ども食堂のお弁当配布やフードパントリーをホッピングして「他にもフードパントリーなどやっているところを知りませんか」と聞くお母さん。夕方に子どもたちのお弁当だけを取りに来て、それを子どもに渡してまたすぐに仕事に出かけるお母さん。自転車で行ける範囲で開催されているフードパントリーを教えてくださいと連絡してくる高校生

          ひどい2021年の幕開け。ケンカしてる場合じゃなくなりました。

          自助・共助・公助をどう考えるか。

          菅さんが新総理に就任。このところ話題になっているのが、菅さんが目指す社会像として掲げる「自助・共助・公助」という言葉です。 私もこの言葉を菅さんが出馬表明をしたときの会見で出してきたとき、「ふぁっ?」となりました。たまたまぽろっと言っただけかなぁと思ったら、その後も繰り返し強調するのを聞いて、いやな気持ちがどんどん増していきました。 私がいやな気持ちになるのは、これを公助を動かす立場の人が言ってしまうということです。さらに、今のこの行き過ぎた「自己責任」時代において格差がど

          自助・共助・公助をどう考えるか。