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多灯分散という考え方

皆さま、会えない時のために、こんにちは、こんばんは。そしておやすみなさい。
私の好きな映画のセリフで始めてみました。
もももろうです。

久しぶりに普通に照明の話をしようかと思っております。
もっとしろって感じですが。
今日は照明の使い方といいますか、考え方をご案内していこうと思います。


早速ですが、皆さまのお家に照明はいくつございますか?
ダイニングに一つ、リビングに一つ、、、以上!
ということはないですか?
あとキッチンですね。キッチンには、、ダウンライトが二つ、三つくらいかな?

繰り返しになりますが、照明をお探しになるお客様は「明るいもの」を比較的よく好まれます。
これについて、日本人は明るさに強い人種だとか、環境の違いだなんだと以前に申し上げた理由の中に「そもそも関心薄い問題」というものがあったのを覚えておられますでしょうか?


今回はこの関心薄い問題に触れていく形で進めていきます。

照明というものに関心がないと、当然、使い方にも関心はありませんよね。
というか使い方って?天井につけるんじゃないの?
いえいえ、そういう事ではございません。

先ほどおうかがいした、家に照明がいくつあるかという事がまさにポイントなのですが、皆さん大抵の場合、一部屋に一つでまかなおうとなさいます。

すると、必然的にその照明一つで部屋全体をMAX明るくする必要がある。
結果、一つの照明で部屋いっぱいを明るくしたい。
またはリビング&ダイニングでつながっている場合、二つで全空間の明かりをとろうとなさいます。

これが「この照明って明るいですか?」というニーズになってしまうわけです。

絵画なんかに例えると、一番使えそうな筆一本で全部描いちゃおう!なんていう感じに近いでしょうか。
もちろん絵は仕上がりますから「おおむね描けたから良しとしよう」というのがごくごく一般的にある状況だと思います。

これに対して、海外なんかを参考にした照明の使い方が「多灯分散(一室多灯)」という方法。
これは読んで字の如くですが、一部屋の明かりは一つでなんとかするんじゃなくて、複数の照明を巧みに使って快適に過ごしましょうよ。ということです。ただ、日本の住環境において、本当にこれがあっているのか?という部分については、ここでは一旦置いておくとしましょう(←実はこれが重要だったりするので、おいおいに。笑)

より質を求めて絵を描く人の手元には、いろんな筆が用意されているという事とも言えるかも知れません。


照明が部屋に少ないと起こる問題その①

明るさというものは、当然光源に近い方が強く、端に行くにつれて暗くなっていきますよね。
つまり、めちゃくちゃ明るい照明をつけると、部屋の隅まで煌々と照らせますが、その照明の付近や直下がかなり明るくなってしまいます。
人は強い照明のもとで長時間過ごすと非常に疲れてしまいます。
ゆっくり過ごすためのお部屋で、実は疲れが取れていないとなるとこれは由々しき状況ですよね。

また、明るければ明るいほどに影が濃く落ちます。
読書や勉強をする際に、もっとも眼に悪影響を及ぼすのがまさにこの明暗の差です。
暗いところで本を読むと目が悪くなるよ!と注意されて育った方は多いでしょう。それは半分間違いで、本当は「手元とその周りの明暗の差」があることが悪影響なのです。


照明が部屋に少ないと起こる問題その②

光には方向性があります。
光は基本的に一直線に進むので、光源方向を遮るような角度で家事や仕事などの作業をすると、とても暗くなるということがあります。
じゃあ、そういう場所で作業しないようにすればいいやん、ということではありますが、お家に自分の作業スペースや仕事部屋がない場合もありますよね。それに、作業によってはリビングやダイニングで済ませたいことだってある。
部屋の不自由さに合わせて、自分が場所を選ぶのも少し面倒ですよね。

部屋に照明が一つ、ないし二つということは、部屋に行き渡る為の光線が単一で、その方向性が少ないということ。つまり、人や家具の位置によって光が届かない場所が増えるということです。
もちろん間取りや立地の面でそういう事はあるかもしれませんが、こと、照明に関してはとても簡単に解決できます。


こんな風に考えてみませんか

そもそも、上に書いた問題は他の国ではあまり問題とさえ捉えられません。
逆に「何故、君たちは自ら不自由に過ごすのかい?」と言われるような事なのです。
それは、先ほど申し上げた「多灯分散(一室多灯)」の暮らしがごく普通だからです。
他の国と申し上げましたが、日本でも照明業界としては随分前から提唱はしておりました。
なかなか浸透しないのは、お国柄からくるものです。そして繰り返しになりますが、これが結構大事な事だったりするのです。そう、あなたの思う不自由がわたしの不自由だと思わないでよ!という、、あ、なんか深い。これバイカル深い(流行れ!)ですね。そして、すぐ深いっていうわたしの浅さ。


さて、必要なところに必要な分の明かりを添える。これ自体はとても良い考え方。

いつもご飯を食べるところ、洗濯物を畳むところ、洗い物をして一息つくところ、コーヒーを飲みながら読書するところ。
お気に入りのテーブル、お気に入りのソファ。
家の中での人の行動の種類はたくさんあれども、何をするにしても、その場所は大抵決まったところではないでしょうか。

つまり、その場所に「その場所で過ごす為のあかり」を置いておけば良い。
そして明かりは持ち運んだっていいんです。

皆さまは天井につける照明以外にも、たくさん照明の種類があることを既にご存知かと思います。
それは例えば、狙った場所を照らせるスポットライト、壁に付けるブラケットライト、ソファ横にぴったりなフロアライト、さらに省スペースで使えるテーブルライト、卓上に明かりを落とすデスクライト。

本を読むときは手元にテーブルライトをどうぞ


今、コロナの影響もあって、おうち時間が見直されております。

誰もが自室や仕事のスペースを快適にしたいということで、たくさんのインフルエンサーさんやYouTuberさんが暮らしに関わるHOW  TOを公開されているようです。
そのおかげもあってか、ようやく多灯分散の考え方が一般的にも広がってきております。照明に関わる人間としては非常に喜ばしことだと感じておりますが、ここで一つだけ注意がございます。

日本人お馴染みの海外至上主義もあってか、それこそが正しく、それこそが“おしゃれ”なんていささか飛躍した主張もあるのも事実。普段過ごす場所の照明というのは、あくまで、そこに住む皆さんの快適に基づいたものでなくてはなりません。
そもそも、感じる光量の、、、あぁ、だからこれを次の機会に書きますって事でした。どんどん、話してしまいます。すいません。

さて。では、これを機に、是非皆さまも照明に触れてみてはいかがでしょうか?

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