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灯のような日々

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不器用でも、一つずつ 世界のなかに隠れている、小さな光に 心を震わせられるように。 転んで、悩んで、大泣きして。 それでも前を向けば、光がさして。 その繰り返し。 そんな、日々。
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この道の先に

この道の先に

この大きなチャンスを掴めたら、これまでの10年が全て報われる。
という機会があり、精一杯やったのですが、
手を伸ばしたほんの先に、というところで、その念願の夢は、はらりと散ったのでした。

その時に思ったのは、
ああ、人がどんなに頑張って、こつこつと何かを積んでいっても、
それがいつかどこかで報われる、という保証はどこにもない。

今、信じて、ひとつひとつやっていることは、一生報われないかもしれな

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春風

春風

今日も、また2度とない日。

仕事はぱたぱた目まぐるしく、大変だねと仲間たちの背中をさすり、それでも顔見合わせ、笑って、乗り切る1日。

終わる頃にはぐったり。

いつもはすぐ帰るのに、今日はなんだかそんな気にならず、ぐったりの体のまま、
擦りむいた足に靴下を買い、
新しいお店のジェラートを食べて、
節約の心はどこへやら。
なけなしのお金をはたいて、お花屋さんで大きなダリアまで買ってしまった。

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生きるバネ

生きるバネ

自分の周りの大事な友人や仕事仲間が、色んな理由でつらかったり、しんどい状況だったりして、
こらえきれず泣いてしまった、と知った今日。

自分も、この歳になっても大人気なくわんわん泣いて、
そんなボロ雑巾みたいになった私に、家族や友人たちが、かわるがわる、せっせと水をやってくれるから、なんとか、生きている。

だから、私もせめて
手の届く範囲だけでも、
私のできる小さなことでも、
全力で守ってあげた

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3・9の日

3・9の日

3月9日。
サンキューの日。感謝の日。ありがとうの日。

今年に入ってから、もう2ヶ月と9日。

大泣きした日は2日。
ちょっぴり泣いた日は数え切れない。でも、なんとか生きている。

大事な人を失ったり、これから先のことが見通せなかったり。
気分は穏やかな日もあれば、どんよりしたり、絶望したり。
今のところ、5:3:2ぐらいだろうか。
以前は数字でみるのが苦手だったけれど、データは裏切らないという

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揺らぎのなかで

揺らぎのなかで

あっという間に3月。
インドネシアから帰ってから、瞬く間に2ヶ月が経とうとしている。

演劇を表現の世界の入り口として入ってから、身体と空間の面白さをもっと探究したくて旅を続け、
訓練されたダンスの下地がない自分は演劇、パフォーマンス、ダンス、どの方向を向いて進めばいいのか、
ずっと揺らぎの中で模索してきて、
それでも、自分がやってきたことを見てくれている友人たちが、いろんなヒントと、表現の自由さ

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これまで自分が時間をかけてやってきたことが
果たして何か実を結ぶのだろうかと
信じられなくなる夜もある。

続けていくことでしか
たどり着けない場所がある

それでも、続けることは
そう簡単ではないことも、知ってきた。

綻び、切れそうな糸を
撚っては、紡ぎ、繋いで。

熾

2024年1月も、あっという間に後半に入った。
今年、やることや、やりたいことをあれこれ書き出し、考えては煮詰まり、新たなことを発見し、落ち込んではてくてく歩いて足を動かし、そんな日々。
インドネシアから帰ってきて、約1ヶ月が経った。

報告書は書いてはみたものの、健康面での反省ばかりが目立ち、どこかしっくりこない。
それでも、百聞は一見にしかず。インドネシアに行く前と行った後では、物理的にも思考

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灯りを

灯りを

2024年
新しい年が始まりました。

日本では元旦から大きな地震、そして翌日には航空機事故と、
穏やかさとはかけ離れた、年の初めでした。

あの東日本大震災の夜、高校の図書館の床で震えて寝ていた自分。
被災地では今もまだ、凍てつく寒さの中、震えている人たちがいるのだということを、毎日思います。

コロナ禍を抜けても、
世界は混沌として、先が見えません。

それでも、昨年インドネシアに行って考えた

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2023

2023

昨日、日本に帰ってきてから初めて、庭に出て草花をじっと眺めた。

あの暑い夏からこの寒すぎる冬までまったく世話をできないままで、
さぞかし荒れ放題になって、全部枯れて跡形もなくなっているのでは、と怖くて様子を見るのを渋っていたが、
なんとまぁ、そこには植物たちが寒い冬の中、凛と立っていて、
あの子も、この子も、まあよく頑張ったと、涙が出そうになる程、その姿に励まれたのだった。

長い時間をかけて荒

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お別れ

お別れ

私がインドネシアから帰国する日、
祖父はこの世を旅立ちました。

そしてお葬式に向かう日、またひとつ、悲しいお別れがありました。

日本に帰ってあんなに楽しみにしていたごはんも、今は何の味もせず
インドネシアにいた時とは違う痛みが、ヒリヒリとずっと消えません。

お別れの時、相撲甚句の「当地興業」を祖父のために唄いました。

今までに感じなかった、「別れの唄」の意味。
今まで出したことのないうねり

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花瓶

花瓶

「買ったのだけど使わなくて、もなみさんもらってくれませんか。」

職場の素敵な女の子にもらった花瓶。

何をいれてあげたらよいか、
花屋さんを数軒ウロウロするも
ピンとくる花がおらず。

今朝、雨上がりの庭に出てみると
片隅で下を向いて咲いていた椿が二輪。

花瓶が待っていたかのように、
ぴたりと合ったのでした。

素敵な花瓶をありがとう。
大切に使いますね。

何もない日に

何もない日に

あっという間に3月も半ば。

名古屋での仕事を終えて3月1日に帰ってきてから、インドネシアの渡航準備の書類や、確定申告や、バタバタと走り回り、息をつく暇もなかった。

ようやく、何もない休日がやってきて
掃除、庭の草むしり、ランニング、料理。
お世話になった人へ手紙を書いて、封筒が積み上がる。

これからのことをぼんやり考えながら、それでも頭はフル回転で、
あっという間に夏まで過ぎていくんだろうな

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「女性」に生まれて。

「女性」に生まれて。

今日はそっと、弱音を吐かせてください。

あっという間に年が明けたというのに、気分は深い海の底を漂っているようで、なんとも浮上できずにいる。

私も30歳。
成人式のニュースを見ながら、20歳ってどんなだったかな。と思いながら、毎年1年1年、あっという間に過ぎていくのを感じる。

昨年、祖父が亡くなり、
父母の年相応の衰えも感じるようになってきて、
果たして私は、この先どうしていくのか、よく考える

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庭

なかなか新年から
ずんずん落ち込んでいた私ですが、
友人たちや、庭の植物たちに助けられ。

不思議なものです。
庭に出て、植物の手入れや
雑草をじっと観察したり
そんなうちに
しゅるしゅると心が解けてゆきました。

昨年、ほそぼそと始めた庭仕事。
たくさん失敗し、
虫に食われ、
ほったらかし、
全く実をなさなかったようで、

1年前の雑草だらけの庭は、
わずかにですが
確かに私が手を入れ、
耕した

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