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お腹の音デザイナー

皆さんは、「自分のお腹の音デザイナー」に会ったことがあるだろうか。
私は何度か、会ったことがある。
お腹の音デザイナーの職業は大変特殊なもので、人間一人が生まれた時から死んで星になるまで、人の一生分のお腹の音を作曲・演奏してデザインするというものである。その仕事の報酬として、彼らは担当した人間が一生で聞く音の全てを集めて記録している。
昨日聞いた素敵なJAZZだとか、電車の発車音だとか、赤ん坊の泣き声とか、そんなものを全て自分の「音の引き出し」にしまっておくのである。

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先日、なんだかお腹が空いたなと思いながら腹部をさすっていると、お腹の音デザイナーがひょこっと現れた。
彼はこちらの視線など気にもとめず、人のお腹の上でいそいそとチューニングを始めたかと思うと、おもむろに演奏を始めた。

「ぐうぅ」

最初は控えめに、段々と大胆に

「ぐうううぅうぅ、うぅ」
「ぐるぐるぐる、ぐうぅうん、ぐるぐる」

そうか、とそこでやっと思い出す。
朝から、何も、食べていなかった!

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遅めの昼食を取ると、お腹の音デザイナーもご満悦。一仕事終えた安心感からか、すやすやと昼寝を始めてしまった。
そんな彼につられて私もうとうと、つい昼寝をしてしまったのだった。

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昼寝から目覚めると、もうすでにお腹の音デザイナーの姿は見えなくなってしまっていた。
私は明日のお腹の音が少しオシャレになると良いなと思いながら、少し背伸びして洒落た音楽をかけた。

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美味しいお酒を一杯飲んで、そしてそのぶん幸せになります。一緒に呑みましょう。