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思い出の話がしたくて

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わが家の冷蔵庫にはしょうゆが3本ある

わが家の冷蔵庫にはしょうゆが3本ある

「わたしたち」が住むその家は、
JR中央線のA駅から15分ほど歩いた場所にある。

2022年4月に入居してからというもの、
おどろくほど穏やかな毎日をおくっている。

そんな暮らしぶりとは裏腹に、
周囲の人たちは、ややザワついているらしい。

たとえば会社の同僚や友人に会うと、
「それで、シェアハウスはどう?」と質問ぜめ、
「毎日が修学旅行みたいで、疲れない?」とも言われる。

なるほど。
すっ

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好きな街で暮らすということ

好きな街で暮らすということ

2022年4月。JR線の通る「ある街」に引っ越してきた。

ここは、にぎわいのある地元のスーパーや、いまどきなコーヒー屋さん、独特のセンスを感じる本屋さんが立ち並ぶ。「文化的」という言葉がぴったりな、東京らしい街だ。わたしはこの街の暮らしがとても気に入っている。

そんなわたしは、この街に出会うちょうど一年前。「楽しい」とはほど遠い感情で暮らしていた。

社会人も3年目になり仕事も慣れてきたころだ

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中央線とビールの味

中央線とビールの味

中央線。大学時代のにがい記憶を思い出す。

いまからもう5-6年も前なのか。

午前授業の眠すぎる朝。友だちと談笑した帰り道。はじめて恋人と出かけた週末。

晴れの日も雨の日も経験したのが中央線だ。

そんな中央線沿線で、わたしは今日懐かしい人たちと会っていた。

このメンバーで会うのは実に5年ぶりだろうか。

わたしたちは18歳の夏に出会った。

ひょんな運命で大学のとある活動の幹部をひきうける

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キューバの記憶

キューバの記憶

忘れられない旅行がある。

精神も身体もヘトヘトになった、
あまりたのしくない思い出だ。

きっと二度と行かない場所。
でも人生で出会えてよかった場所。

それが、キューバだ。

「キューバへ行こう」といったのは、
大学生当時、お付き合いしていた人だった。

彼にとっては人生初の海外旅行だというのに、
「みんなが驚くような場所がいい」といっていた。
彼のそういうところに、ひかれていた。

いっぽう

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渋谷を愛してる理由

渋谷を愛してる理由

「ていねいな暮らし」がちょっと苦手だ。
手にしているものの価値を見つめ直す
という感覚をどうしても好きになりきれない。

とかいうわたしも昔は
「ていねいな暮らし」に興味があった。
興味がありすぎて、ヒュッゲの本場、
北欧に留学したくらいだ。

足るを知る感覚は、
ああ確かに幸せだなとおもった。
だけど、渋谷の雑踏が恋しかった。

わたしは東京で生まれて、東京で育った。
家族との思い出は、父の運転

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ありがとうございました

ありがとうございました

大好きな先輩が、会社をやめる。

わたしをいまの会社に導いてくれた、

書くことが楽しいことだと教えてくれた先輩だった。

その先輩は「覚悟を決めた人」だった。

どんな覚悟かといえば、

自分の幸せは、ちゃんと自分で決めるという覚悟をした人だった。

むやみやたらと動きまわって、人から褒められようとしたり

見えない高みを目指して、変に強がろうとしたり

新人で焦りがちなわたしを

ちょっと待っ

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サイボウズ就職までのぜんぶ

サイボウズ就職までのぜんぶ

最近、サイボウズに興味がある学生さんとおはなしする機会をいただきます。

「どうしてサイボウズを選んだの?」「どういう就活をしたの?」

そうきかれるたび、いつも上手にこたえられない自分が悔しかったので、今日は自身の就職活動についてふりかえってみることにしました。

実家の引き出しのなかから、懐かしいものを引っぱり出してきました。

就職活動のすべてが記録されているスケジュール帳と企業理解ノート、

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