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俺は、鳥になると決めたときから豊かになった。

頭がぐるぐるしてくると、文を書く。それによってなにかが救われる感覚がある。具体的ななにかはわからない。最近は、よく歌っている。鳥と同じだ。俺は鳥だ。鳥は歌って空を飛ぶ。それでいい。俺も同じだ。俺も歌って空を飛ぶ。自分のなかのジャッジメントを殺す。それによってなにかを得る。そうだ。裁くのはいつだって自分なんだ。ロックンロールのことを考える。ロックとは、なにか。なにかと言うまでもない。生きようとする力だ。いまの自分に必要な熱だ、そして、灯火だ。誰かの歌を歌う。好きな音楽家の歌を歌う。そして、本人と友達ならば、それを送る。聴いてもらう。こんな贅沢なことがあるだろうか。生きていることを簡素化していくと、どんどんと、顔がなくなっていってのっぺらぼうになっていく。そんな人生は嫌だと心底思う。わたしは、血の通った人生を生きるのだ。それが、鳥と同じ人生だ。ピアノを弾いている。弾いて、同時に歌っている。歌いながら弾くと、細かいことがどうでもよくなってくる。そして、なにやら弾いているだけのときよりも、幾分と楽しい。そんなことがあるのか。弾き語りはできないと、決めつけていたのは自分だった。自分は、なんだってできる。そう少し思うだけで、人生は変わる。わたしは人生、人生と繰り返しているが、実際には人生と言う言葉はあまり好きではない。どこか、生きる、と、熱を切り離してどこまでも真空パックにしてしまって関係ない、切り売りの肉のようになってしまっている。生涯、と言う言葉は反対にかっこいいと思う。おお、生涯か、というように、それこそ崖の上にいるような気持ちにもなる。これはとてもいい。そんな風に、いきることを彩れたらいいと思う。特定のカテゴリーにいるのがひどく苦手で、考えるだけでお腹の辺りの痛みが悪化してくる。だからできるだけ、考えないようにしている。なにがいいたいのか。つまりは、固定化された生き方は嫌だということだ。思い出せ。俺は、俺は、鳥なんだ。鳥として、生きてるんだ。ということを。気がつくと、忘れちまう。そんなこたぁ、俺の生きる道では許されないんだ。やはり、動画日記に蝕まれている。更新することでなにかを屈服させている。なんだなんだ、資本主義にやられたのか。そもそも、資本主義ってなんだ。わかっているのか、わからないでやっているのか、それすらも、怪しい。みんなわかっていることだが、そのうち、近い将来、誰しもが医療なんざ受けられなくなる。そんなこたぁ、当たり前なんだ。そんなこたぁ、みんな、わかっていながら立ってるんだ。叫んでる奴もいる。そうだ、駅前で、叫んでるひとたちがいる。俺が通ってた病院だってそのうちなくなっちまうんだろう。先生たち、わかっているんだろう。そんな顔をしていた、前に、会ったときには。だからこそ、金なのか。かね、かね、カネ、金。鐘?ロシアでは、あの大国ロシアではさ、ヒトが死んじゃうとさ、鐘をならすんだってさ。13回、だったかな。遠くの果てから聴こえてくる、鐘の音。それ聴いてさ、みんなさ、ああ、誰か今日も死んじゃったんだなって、犬の遠吠えみたいにさ、思うんだってさ。そんな時にさ、そんな時にさ、あの寒さでさ、鬱屈された社会でさ、指が延びながらもピアノ弾いてた青年がいてさ、酒をかっくらってただひたすらに書くことだけを志してたひとだってさ、そしてさ、その美しき美貌に目もくれず、ひたすらにかっちょいい、かっちょーーーいい、絵を描いてたいい女だってさ、いるんだってさ。あの、極寒のなかでさ、ピリピリしたとんでもない、ジャーナリストデモなんでも気づいたらいなくなっちゃってる社会でさ、花開くものの美しさといったら、バタフライナイフのような研ぎ澄まされた作品と言ったらばさ、こう、胸を打つんだよな、ってことなんて考えながらさ。今日も空を見てさ、地上を見てさ、同じ地球上で生きてるんだなってことなんてものを感じながらさ、猛然と生きてる、生きてる、生きてる、ああ、俺は、どうなんだ。鳥なのか。鳥葬されてんのか、ああ、そうか。土に埋もれるのか、そんなことなんてもんを感じながら、考えながら、嫌、考えてもないかなんてことを思いながらさ。そうさ。車が走ってるよ。車に乗れてもさ、馬に乗れる奴なんてどれくらいいるんだろうかね。俺は、乗れないよ。俺は、乗れないけど、飛べるとは思うよ。昔はさ、箒に乗って空でも飛べると思ってたね。そうして川原で実践してスッ転んで大怪我まではいかねぇけども、それなりに、怪我はしたね。バカだと笑われたね。でも、夢を見ようが、できないことをしようが、したいことをしようが自由なんじゃねぇのかね。そうやって空を飛ぼうとした奴が、飛行機だのなんだの作ったわけだろ?飛行機ってのは、いまだにどうやってとんでんのかわかんないわけだろ?麻酔だってなんできいてんのか、根本はわかってないらしいぜ。こんな面白いことってあんのかね。世の中ってさ、世の中ってさ、思い込みだらけでさ、とりあえず、その思い込みも、思い込みだって思って、ああ、そうだ、今日、今日から俺は鳥なんだ、鳥だったんだ、ってなことを思えば、結構それなりに豊かに生きれるんじゃないのかね。

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自由律俳句

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