Distance: Chère ma petite-6;Final

オレ達は何故離ればなれなのか?
答は単純だ
オレが船に乗ったから
どうしてオレはこんなところに?
答なら明快だ
オレが望んだから

全てはオレの望んだままなのに
数秒後にはまた
同じ自問を繰り返している
お前なら
自らに宿す灼熱の宿命を
問い詰めたりしないだろう

それがお前の強さ
オレの望みのために
お前の唯一の望みは叶えられぬままなのに
お前はそれすらも堂々と受け入れ
そこから目を逸らすことはない

灼熱の太陽や波風が
長い年月をかけて
岩肌を侵食していくように
絶えずオレの周りを徘徊する時は
残酷にも
目元をえぐり、深い皺を刻んでいく

お前は決して減らぬペン先で
情熱の言葉を刻み続ける

それこそがオレの見たかったもの
そこに一片の悔いもない
ただ、支払った代償の大きさに
時々気が遠のきそうになる

結局全てはお前の手中にあったのだと
ここへ来てようやく気づくことになる

お前は揺るがぬ女王
何一つ持たぬ太陽のように
一心にその身を焼き尽くし
地上の惜しみなき崇拝を
一つ残らず回収していく

オレはといえば
取るに足りないものを次々と望み
右へ左へ這い回っている

お前を残してきた日のことすら
もやは満足に思い出せぬというのに
毎日必死で
お前の言葉を求め続けている

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