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「鷗外とその家族」シリーズについて(2024)

「鷗外とその家族」は、鷗外の長女・森茉莉のエッセイが好きで、家族に書かれたものが面白かったことから、2022年にスタートしたシリーズで、意外にも本noteで一番読まれています。

茉莉のエッセイに始まり、鷗外のほかの子どもたちや親族が書いた著作、文京区の鷗外記念館の訪問などをもとに、現代的な視点で鷗外一家の像の描写に挑んでいます。

2023年は記事投稿のペースが落ちていましたが、調査は継続していました。
同年5月には晩年の茉莉が通った世田谷の喫茶店・邪宗門(お店自体は2代目であるご子息がきりもりしているが、茉莉が通っていたころの店主もまだ存命)へ通ったり、第三者が鷗外や茉莉、一家を論じた本を読むなど、少しずつフィールドを拡大しています。

また茉莉を含めた鷗外の四人の子供たちは、全員ヨーロッパへ渡航しています。長男・於菟(おと)は医学留学でドイツへ、茉莉は最初の夫の留学に伴いパリやドイツに逗留、その妹弟の杏奴(アンヌ)と類(ルイ)は絵画を学ぶためにパリへ。

私自身がフランスやフランス語になじみがあることもあり、彼らが手紙や著作の中で表した異国での解放感、異文化に接した胸の高鳴りは、自らの海外経験と呼応するところがあります。
中でも茉莉のフランスへの思いや美しい描写に特に惹かれることや、彼女が渡仏した1920年代頃の文化や歴史に興味があることから、当時の日仏の社会背景とからめ、今後はより広い視点で描いてみたいなと思っています。

今後も「鷗外とその家族」シリーズをどうぞよろしくお願いします。


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