見出し画像

【番外編】シンガポールへの進出

シンガポールへの初進出は今から約7年ちょい前の2016年10月の催事であったが、そこに至るまでにはちょっとした物語があるので、よろしれば是非ご覧ください。
2015年3月以降の香港でのポップアップ以降、なんとなく近しい、シンガポールも視野に入れていた。特にシンガポール高島屋がすごいらしいと言う噂は耳にしていたので、どうにかしてシンガポールの高島屋と繋がれないものかと色々と画策していたが、やはり中々繋がることができないでいた。

シンガポール高島屋の正面玄関

そんな時であった、2015年10月に仙台の某地銀の上海事務所の方と上海にある日系百貨店巡りをしていた際に、その中の1社に上海高島屋があった。一瞬「おっ!!これは、もしかしたらシンガポールの高島屋と繋がれるかも!?」と思ったが、冷静に考えると同じ高島屋とは言ってもそもそも国が違うので、繋がれる可能性はかなり低かった。しかしながら、その当時、上海高島屋は、数年前に肝いりでオープンしたものの、あと一歩乗り切れていない感じでもあったので、海外の成功事例であるシンガポール高島屋での経験者や国内のエース級人材を増やしているのではないかと勝手に推測していた。
そして、色々と期待と言うよりも妄想しながら、商談に臨んだところ、如何にもデキる男風な兄さんが出てきたのであった。実際に話してみると、やはりデキる男で、上海高島屋の事を定性的にも定量的にも非常によく分析しており、今後の打ち手も明確であった。当の商談に関しては、日式家具は、既に取引しているところがあるため、すぐの取り扱いは難しいが、今後の期間限定ショップの展開は検討できると言う事であった。当時は、まだ、門間屋としても上海での実績がほとんど出せていなかったので、これはこれで残念であったが、帰りがけに、念のため、コロンボ営業で、「あっ、そうそう、最後に一つだけ、シンガポールの高島屋さんとの人事交流が盛んなようですね」と聞いてみた。すると、「そうですね、結構来てますね。私も先月までシンガポールにいましたからね」と言うではありませんか!? 「何と、何と、国内のエースとばかり思いこんでいたら、シンガポールからだったのね、早く言ってよ~」と心の中で独り言ちながら、「そうでしたか、シンガポールの高島屋さんは海外での成功事例と言われてますからね、弊社もシンガポールでチャレンジしてみたいので、よろしければ、どなたかご紹介頂けませんか」とサラッと言ったところ、「良いですよ、リビングのマネージャーが仲良いのでメールで繋ぎますね」との二つ返事でOKをもらってしまったのであった。

有名なアレです

ところが、流石できる男だけあって、ご紹介頂いたのは日本人ではなくローカルスタッフのマネージャーであった。そのため、当然のことながら英語でのやり取りを余儀なくされた。当時の僕は正直あまり英語が得意ではなく、しかも香港人スタッフのK君もまだ入社しておらず正直結構高めのハードルだったので、「もしかして試されてる俺?」くらいに思ってしまった(笑)
 その後、グーグル先生に頼りながらも、何とかかんとか商品プレゼン等をメールにて行い、ついに2016年10月20日から開催される「Stylishly Japan」という催事への参加が決まった。参加確定後は、シンガポール高島屋に売場を持つ日系企業を代理店として紹介されたので、そこから開催までの流れは非常にスムーズであった。「そんなことなら、最初からそこ紹介してよ」と思ったのは言うまでもないが(笑) 
 そうこうするうちに、あっという間に月日は流れ、気が付けば10月、いよいよ明日からの開催となり、セットアップのためにシンガポールに向かって日本を発とうとしたその時であった。空港カウンターにて「パスポートの残存期間が半年を切っているので、もしかしたら入国できないかもしれません」と言われてしまった。何と、シンガポールへの入国にあたってはパスポートの残存期間が半年以上必要だったようで、それに対して僕のパスポートの残存期間はわずかではあるが半年を切っていたのであった。ただ、空港カウンターの人曰く、そこまで厳密ではないので、おそらくは入国できると思うが、保証はできないとの事だった。一瞬顔面蒼白になったが、最早、どうしようもないのでとりあえず行く事にした。行ってみたら何のことはない、特に何も問われずスムーズに入国完了(笑) そのままの勢いで、深夜のセットアップも無事完了。

セットアップ完了

そして、翌日、催事も滞りなくスタートした。流石はシンガポール高島屋と言うべきか、噂に違わぬ集客力で初日からかなりのお客様の来店があり、午前中のうちに早速、小箪笥が売れた。まさか、そんなにすぐに売れると思っていなかったので、ややテンパりながらも、ほくそ笑んでいた(笑) その後も、集客は順調で、週末にはてんやわんやになるくらいであった。それに伴い、売上も順調に伸びていき、僕が滞在していた5日間だけでも想定以上の売上をたたき出してくれた。その後も、会期終了までそれなりの勢いを保ったまま推移し、初回としては、合格点をはるかに超えていた。感覚的には、初めて香港SOGOでイベントをやった時かそれ以上の手応えであった。

この頃は、売場ではいつもこの衣装でした

個人的には、その後も定期的にと思っていたのだが、そうは問屋が卸さず、中々チャンスを頂けないまま時が過ぎていくのであった。詳しくは、次回書かせて頂きます。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?