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正しい歩き方をほとんどの人が知らない。

みなさんはどのように歩いているだろうか?
ほとんどの人は脚を前に放り出しながら歩いているのではないだろうか?

もしかしたら状況によるのかもしれないが、基本的には僕は間違っていると考えている。足のことを考えた靴みたいなので、踵から着地みたいなものをよく見るが間違っていると僕は考えている。

僕が思うヒトという動物がデザイン的にされている歩き方というものがあると考えている。どういうものかというと、

上記の絵のように自分の真下に足がきて、前にバランスを崩していくと、足が勝手に前に出てしまう。そしてその足が地面に触れたとき、また自分の真下にきている、みたいな歩き方がいいと考えている。
足を地面につく時は足の裏全体が地面にいきなり着くのであって、踵から順に着くものではない。この足の裏全体が地面についた時、足の指は地面に触れない。

この時足の裏の筋肉は引き伸ばされて足底反射が起き、厳密には足の裏の筋肉の伸長反射というのが正しいかもしれない。足の裏の筋肉が収縮し、バランスは前に崩しているので、前に押し出される形で崩れていく。そうすると地面に足の指がつくことになり、この時また足の指の伸長反射が行われ、地面を勝手に蹴ることになる。その頃には反対側の足が前に出てきて、地面を真下に捉えることになる。これを繰り返すのだ。

何が言いたいかというと、反射で勝手にドンドコ歩けてしまうのだ。
色々な表現はあると思うが、ヒトという動物は長距離歩くことができる進化をした動物なのだ。

反射で筋肉を使うと意識していないので、疲れが来にくい。疲れない訳ではない。しかし、現代人はこの身体の使い方に慣れていないので、初めはめちゃくちゃ疲れる。ただ、痛めるとかいうことではなくて、心地のいい疲労感だ。僕は武術のトレーニングをしたらこれになる。武術の身体の使い方は反射をいかにコントロールして使うか、というのがあるのだと思う。

僕の最初の頃のミスの話をしよう。

初めてこの感覚を得た時、非常に嬉しくて、何回も練習したのだ。
技のかかりはいいし、威力は出るし、気配も消しやすい。
もう自分の進化が嬉しくて嬉しくて。
単純にパンチの威力なんかも上がりますし、姿勢の力も出しやすいんです。
そして調子に乗った結果、僕は腰回りのあたりから太ももにかけてとんでもない疲労感に襲われて、気絶をするように寝た。
今まで味わたことのあるような痛みではなく心地のいい疲労感ではあるのだが、それが大量に来るとバタンと倒れこむように寝た。

そしてさらに調子に乗った僕は急にいつもより圧倒的に重いものなども持てるようになったので、重い荷物を運んでいた。そうするとそういった身体の使い方ができるようになったばかりの僕はまだ慣れていないので重い荷物を持った状態でバランスを崩すのだ。もうお分かりだろう。きっちり腰を痛めた。

いつも謙虚に生きねばといっているのにこの有様である。

それはそうとして、このタイプの筋肉は全然落ちない。
これがクンフーが鍛えられている状態だと思う。
站椿もこの意識ができている立ち方をするなら大いに意味があると思うが、師匠の見様見真似で何年もただただ真似ているだけでは効果はしれているだろう。
表現こそ違うが、「骨で立て」とか「最低限の力で立つんだ」とかいうのは同じことだと思う。これをできている状態であればドンドン強くなる。達人がお爺さんでも強いのはこのためだ。落ちにくい筋肉をずっと鍛えているからだ。

僕が大尊敬している塩田剛三先生がよく身長体重で女性のような体型と言われるが、なんのなんのこの姿勢を維持する筋肉は他に類を見ないほどムキムキだったたと僕は考えている。もちろん見たことも触ったこともない。

ということで、ヒトという動物は長距離歩けるようにデザインされた動物であるということと、ヒトという動物が無意識にバランスをとっている無意識の部分を意識することを武術家は意識すべきだと考えている。

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