月の舟
幼い頃から月ばかり見て育った
迎えの車の後部座席に後ろ向きに乗り
いつまでも追いかけてくる兄達と
峠を超える間ずっとついてくるお月様に
無邪気に手を振り続けたあの日も
連日の習い事の帰り道
溜息をつきながら見上げたあのお月様も
東京のビルの隙間から顔を覗かせたお月様にホッとしながらも
「ずいぶん遠くなっちゃったね」
と思わず呟いたあの頃も
ふと見上げた旦那の肩に
休憩するように乗っかってたバンコクのお月様に笑ってしまったあの時も
息子が寝たあとベランダで
缶ビール片手に「乾杯♪」しながら
ゆっくり会話が出来るようになったお月様も
そんなわたしのお迎えは
きっとこんな「月の舟」なのでしょう
たゆたう月影と共に降りてくる舟ならば
素敵な夢物語のよう^^
人生は泡沫夢幻
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