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【七温目】ここが私の人生の新たなスタートなんだと思う


さくらが散った。


花びらは人々に踏みつけられて

お花見の賑やかさも今年はもう聞こえてくることはない

青々とした葉がすでに主役になっている

綿毛すらも裸になって

春も終わりの合図を告げた





満開のさくらは最悪の体調と精神状態だった。


その時すでに「もう少しだけ頑張ろう」だった。

社会人1週目にしてそれは無かろう。


はらりとさくらが舞う頃には辞めると誓った。


そしてさくらが散ると私は退職届を記入していた。




さくらが咲く頃に社会人になった。

入社1か月前に配属先が変えられてしまって、その企業に決めた決定打は何も無くなってしまった。やる気も起こらなかった。でも、置かれた場所咲けるようにしようという覚悟は持っていた、はずだった。

でもはじめから私には合うはずがないと分かっていた。

テレアポ営業

これは内定を頂いてもその瞬間に内定辞退していたものだった。

他者に目標を決められるノルマ
単調作業
思考をほとんど使わないこと
興味すらない人に話し続けること
人がお金に見えるような将来像

そのどれもが合わない、というより嫌だった。


自分で高めの目標を立てて努力するのはすごく好きです。「君の努力は才能だよね」って友達に言われるくらいには当たり前に努力できると思います。それは、“自分で立てた目標” だから頑張れるんです。勝手に与えられた目標には意欲も関心も湧きません。そんなの当たり前のことじゃない?

noteを読んでもらえれば一目瞭然だけど、考えることが好きです。癖です。性格です。息するように考えます。それを奪われる単調作業や考えなくてもできることは、息できないのと一緒。私にとっては死んだも同然なのです。

それが耐えられるほど、いやそもそも、私はストレスに弱いと思います。というより、繊細すぎると言われるのでそこかもしれません。センサーが敏感なのでしょうか。それからネガティブなんです、実は。だから自分で自分を追い詰めて、どんどん落ち込みます。その度合いも強すぎると思う。だからストレス基準値はたぶん低い。過去のトラウマもそれに拍車をかけているように感じます。

テレアポ営業は興味の無い人に電話する。めちゃくちゃ迷惑極まりない。そもそもその点心が痛かった。でも、話術である程度アポは取れる。しかしただのアポでは結果にならない。宝くじのように、数打って興味ある人を引けるか、といった運ゲーすぎる脳筋のテレアポはそれこそ思考のない作業でしか無かった。

お金は生きるのに確かに必要です。でも、金の亡者になる必要って全く無いですよね。
上司が言いました。

「商談相手がお金に見える」
「ここでアポ取ると◯◯円入るから〜」
「これが欲しいからあと△個発注させないと」

人がお金に見えるまで働く意味はあるのか。騙してお金を取っているような気がした。見えたくない人間の本性が見えているような気がして嫌悪感が拭えませんでした。あの空気の中にいるだけで気持ち悪くなりそう。そんな人に絶対になりたくない。




私の取ったアポからすでに受注も出ました。
新卒では現時点1位です。
インセンティブも入ります。

でも、運ゲーを3ヶ月は続けないといけないこと。その間のテレアポが絶対的に耐えられなくて、なんなら私は鬱になって死ぬことを選びそうになる未来を描いてしまって、仮に先に進んでも金の亡者達と働き、私もその1人になるなんて、絶対に嫌だった。無理だった。

そもそもベンチャーのブラック企業なのです。
不平不満はきちんとお伝えさせていただいた上で、当たり前に改善なんてされるわけも無いので、社会人として11回だけ出社して辞めました。

今日はその2日後のお散歩です。




長い前置きでしたね。

退職した翌日である昨日は身体が動きませんでした。一日中寝てました。ストレスの腹痛は一日じゃ治らないみたいです。明日はお腹痛いの無くなるといいな。耳鳴りもずっとしてます。1日8時間テレアポのせいですね、たぶん。

今日はいいお天気で、彼に背中を押してもらってようやく外に出ることができました。外に出そうとした彼は、私のことを本当によく分かっているんだと思います。


ふわーっと吹くぬるい風が気持ちいい。
やっぱり外が好きです。
抱える不安も風で吹き飛ばしてくれるような
そんな気がする。


古本屋に寄って『ブルーピリオド』を途中まで読みました。YOASOBI大好きで 群青 も大好きなのにブルーピリオドは知らなくて。主人公:八虎の思考が自分と似ていて共感してしまいました。“好き” を見つけて全力になれる姿に憧れました。

嗚呼、手を伸ばせば伸ばすほどに
遠くへゆく
思うようにいかない、今日も
また慌ただしくもがいてる
悔しい気持ちも
ただ情けなくて
涙が出る
踏み込むほど
苦しくなる
痛くもなる

感じたままに進む
自分で選んだこの道を
重いまぶた擦る夜に
しがみついた青い誓い
好きなことを続けること
それは「楽しい」だけじゃない
本当にできる?
不安になるけど

群青|YOASOBI

大学生の時は毎日のように群青を聞いて、好きなことに一生懸命でした。それこそ好きは楽しいばかりじゃないし辛いことも多かったけど、そんな私にとって群青は心の支えのひとつでした。その原点の『ブルーピリオド』はそんな過去の私を思い出させてくれて、思わず過去の自分をも羨んでしまった。

今、仕事を辞めて残ったものと言えば、本当に “書くこと” だけになったような気がします。お金が無くてもできる、そして楽しいしすっきりする。そもそも大卒なんて何も持ってるはずが無いですよね。

就活の時から考えているけど、自分の好きも夢も、分からなくて、迷って困って辛いんです。やりたいことってなんだろうって。今まで目標があって、それに全力だったから目標の無い今がめちゃくちゃ辛いんです。いつでも心にぽっかりと穴が空いた時、小さな興味を高い目標にして、努力することで不安を埋め続けていたような気がします。

だから私も、好きややりたいことが欲しい。
何かに全力になりたいって思って仕方ないのです。


久しぶりに数時間も読み続けて活字が頭に入らなくなったので、お散歩再開とします。





外に出ると、自然に触れると、頭の中が少しづつ鮮明になるような気がします。自然の力って偉大だな

明日は何しよう

やらなければならないこともあります。

国民保険に入らなきゃとか、
免許を取りに行こうとか
バイト探さなきゃいけないなって。

でも、明日も明後日も明明後日も、
今の私には予定なんてひとつも無い。

その事実にまだ、向き合えないのです。
それくらい今までの人生ずっと忙しすぎました。
だからやりたいことも見つからないような気がします。

だって常に何かを追い求めていたから。努力していたから。
何も無い今、なんでもやっていいってなった今、
「これやりたい!」が無い。

実は自分は空っぽの人間だったんじゃないかなという気がしてきます。気のせいでしょうか。

でも、だからこそ、自分という人間について、やっと理解できる時がきたような気もしてきます。他に目が向けられることができないからこそ、本来私が持っているものに目が向けられるような、気がする。これからをそんな時間にしたい。



今まで、本当に私は頑張ってきた人生だったと思います。
昨日の自分に打ち勝とう精神だった。
コツコツと積み重ねてきたもの達がある。

それらをこれからどうやって使うのか
それとも使わないのか
私はどんな人になりたいのか
どんな人生を歩みたいのか

それを考えて動き出す


社会人11日目の退職は、私を見つめて、わたしのままで生きていくためのスタートであると信じたい。

去年の春、次の春に笑っていられるか不安だった。
結局私は毎日泣きながら出社して、泣きながら帰って、家の中でも泣き続けて。社会人の2週間の8割は泣いていたと思う。

来年は、笑っていられるかな。
すっきりとした笑顔で、鮮やかな春を思う存分味わえるような春が来るかな。
次の春こそ、笑っていられる幸せな春が来ますように。

ここが私のスタートライン

何も持っていないゼロから、はじめよう。


みつけた



◇◆◇

本当はうきうきわくわくの記事をまとめたかった春のマガジン。大学卒業から社会人、そして辞めるまで。その心境を綴っています。

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