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よだかの星/宮沢賢治(読書記録)

あらすじ

みにくい鳥の『よだか』が主人公。
よだかはある日、鷹に「名前を変えろ。さもなくば殺す」と脅される。
しかし、よだかは名前を変えることを拒み、遠くへ飛び立つ。
その中で、鷹に殺されようとしている自分も、たくさんの命を奪っていることに気がつき、大声で泣く。
よだかは、お日様や様々な星座に「遠くへ連れて行ってほしい」と頼むが、断られてしまう。
体力が尽き、意識が朦朧としながら飛ぶよだかは、自分が青白く燃えていることに気がつく。
そうして、よだかの星は今でも燃え続けている。

メモ

  • ああ、かぶとむしや、たくさんの羽虫が、毎晩僕に殺される。そしてそのただ一つの僕がこんどは鷹に殺される。それがこんなにつらいのだ。ああ、つらい、つらい。僕はもう虫をたべないで飢えて死のう。いやその前にもうたかが僕を殺すだろう。いや、その前に、僕は遠くの遠くの空の向こうに行ってしまおう。

  • これがよだかの最後でした。もうよだかは落ちているのか、のぼっているのか、さかさになっているのか、うえをむいているのかも、わかりませんでした。ただこころもちはやすらかに、その血のついた大きなくちばしは、横にまがっては居ましたが、たしかに少しわらって居りました。

感想

よだかは、鷹という強者に脅されてもそれに屈せず、名前を変えることを拒んで、遠くへ飛び立つことを決めた。
自分にそれができるだろうか?と考えた。
「自分のプライドを曲げてまで生きるくらいなら、死んだ方がマシだ」という、よだかの強い意思を感じる。
それから皆に冷たくあしらわれながらも飛び続け、最後には星になる。
醜くても、弱くても、それでも自分の心は大切にしないといけない。
そんな心を持っていれば、いつか星になって輝くときがきっとくる。
そんかことを、この『よだかの星』からは感じた。



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