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最近気になっているプロダクト開発手法:SFプロトタイピングを調べてみる。

どうも!
MoQupの原田です!

ここ1カ月、色々な方の講演や本を読ませていただいて第1線のプロダクトに関わるデザイナーは「未来のデザイン」について、どのようなプロセスで考えているのだろう?と考えるようになってきました。

「Design ship2023」に登壇していた、
・デザインエンジニアの山中 俊治さん
・Culture Ampのデザインディレクターのマーティン・ブラウンさん
・デザイナーの佐藤卓さん

など登壇された方は「未来について」独自の仮説を持っていて、自分なりの未来デザインを持っていたように思えます。

未来のデザインと言えば、、、


こんな時によく話にあがるのが、映画「バックトゥザフューチャー」です。
映画の中でロバートゼメキス監督は、色々な未来を予言しましたが当時この映画を見た人たちは未来の姿に心を躍らせていました。

作中では、“30年後の未来”である2015年にタイムスリップしているのですが、その中では

・空飛ぶ車
・生ゴミが燃料の車
・ホバーボード
・一瞬で乾くジャケット

などなど

詳しく内容を見たい方はこちらをどうぞ。

未来を創造するビジネスマンといえば、、

皆さんもご存知の
・故:スティーブ・ジョブズ
・Xの創業者イーロンマスク
・日本でもnoteのCEDである深津さんなどは「10年先の未来を創造するための仮説」を立てることが非常にうまいと言われています。

世の中の状況を観察・分析して、自分たちの持っている知識や技術を駆使しながら、「5年後、10年後にはこんな世界になる」「だから社会をこんなふうに変わる、自分達なら変えられる」と考える事が社会にとって非常に重要なのではないでしょうか?

先におススメの記事をご紹介


僕がこの記事を書こうとした理由は、最近「SFプロトタイピング」というサイトを発見したことが大きな要因です。
そのサイトをご紹介しておきます。

端的に言うと、
2020年から立ち上がっているプロジェクトで、SFを起点としたストーリーを実現するために、開発支援を行うというものです。こんな取り組みが日本でもっと広がって欲しいと思い、記事を書くことにしました。

日本の抱える人口減少や経済や地方の衰退、閉塞感などを打破していくためには、こんなプロジェクトを推進していく必要があるのではないかと(半分くらいは願いや祈りに近いですが)そう考えているからです。

SFプロトタイピングって?


では、SFプロトタイピングとはどんなものなのでしょう?

SFプロトタイピングとは、

SFプロトタイピングは、サイエンスフィクションの要素を取り入れて、新しいアイデアや未来のテクノロジーの可能性を探求するプロセスです。これは、製品やサービスの設計段階で、アイデアの有効性を評価し、将来のユーザーエクスペリエンスを考慮するのに役立ちます。

ChatGPTより

という未来のストーリーからユーザーへの体験を作り、その上で実現可能なプロダクトや解決策を見出す手法です。

主に新しい製品、サービス、またはテクノロジーのアイデアを探求し、それらの実現可能性を検証することを目的としています。

おそらく、スティーブジョブズやイーロンマスクも踏んできたプロセスなのではないでしょうか?

SFプロトタイピングの実際のプロセスは、大きく分けると3つで、

1.未来の背景設定

SFプロトタイピングでは、未来の世界や状況を設定し、それに合った技術や状況を考えることで、新しいアイデアが実際のコンテキストでどのように機能するかを想像するのに役立ちます。

2.プロトタイプの作成

未来のテクノロジーやシステムを模倣するプロトタイプを作成します。これは、コンセプトを視覚化し、実際のユーザーエクスペリエンスを模倣するための手法です。

3.ユーザーの物語、体験の探究

ユーザーの視点から未来の物語を考え、プロトタイプを通じて彼らの体験を探求します。ユーザーが新しいテクノロジーやシステムをどのように利用し、どのような価値を見出すかを理解、具体化していきます。

と、実際には「ユーザー課題」を起点にUXを考えるか、「未来の世界」を起点にUXを考えるか?というスタート地点が違うだけで、UX構築のプロセスは「デザイン思考」で考えた時とそこまで大きくは変わらないように感じられます。

具体例については、こちらの記事がわかりやすいですね。

その中でも、デザイナーと開発者がタッグを組んで、SFプロトタイピングを行う事が重要だとされており、

特に下記の2点は未来を創造していく上で欠かせない要素になっています。

インスピレーション

SFプロトタイピングはデザイナーと開発者に創造的なアイデアを提供し、未来の可能性を想像する手助けになります。これにより、革新的なデザインが生まれ、ユーザーエクスペリエンスが向上します。

ストーリーテリング

SFプロトタイピングはストーリーテリングの要素を含みます。ユーザーエクスペリエンスを物語として伝えることで、ユーザーの共感を引き出し、新しいテクノロジーやシステムに対する期待感を高めます。



SFプロトタイピング以外の似た考え方


未来をデザインする手法には、SFプロトタイピング以外にも
スペキュラティブデザイン(Speculative Design)
リバースエンジニアリング (Reverse Engineering)
アートフルデザイン (Artful Design)

などがあるとされていますが、

スペキュラティブデザイン

RCAの教授であるアンソニー・ダンによって提唱された「スペキュラティブデザイン」。スペキュラティブデザインは問題解決ではなく「問題を提起するデザイン」です。

社会的、文化的、倫理的な問題や課題に焦点を当てることが多く、未来の可能性を提案し、議論を喚起することを目的とします。

リバースエンジニアリング (Reverse Engineering)

既存の製品やシステムを分析し、その仕組みを理解し、新たなアイデアを派生させるプロセスです。未来志向のデザインにおいて、既存の技術やプロセスの潜在的な活用法を発見するのに役立ちます。

アートフルデザイン (Artful Design)

アートとデザインの境界をなくし、創造的な方法で未来の可能性を探求します。アートやデザインの要素を組み合わせて新しいアイデアを表現するものです。

と、似たような考え方はあるものの、未来のデザインには少なからず、既存の発想に縛られない「アート」的な要素を含む必要があり、かつ実現可能性までは言及しないものが多いのが実情です。

その点、SFプロトタイピングは、実用的で実現可能なソリューションを想像し、その効果を検証します。
具体的なプロトタイプから実装可能性をテストし、ユーザーエクスペリエンスの観点から評価した上でプロダクトを開発できる、今後のイノベーションを生み出すために必要になっていく考え方なのだと考えています。


まとめ


総括すると、SFプロトタイピングは新しいアイデアや製品の概念を想像し、探求し、実現可能性を踏まえた上でプロダクトやサービスを開発する、かなり実用的なプロトタイピング手法なのではないでしょうか?

これからも個人的にSFプロトタイピングについては追っていこうと思っています。

最終的には、AIにSF小説を書かせてみて、その中から未来のデザインアイデアをとってきたり、AIによる画像生成で日本の未来を書いてもらったりしつつ想像を膨らませていくとその中から革新的な未来のアイデアが生まれる可能性が高いんじゃないかと、考えています。

書籍も読んで理解を深めてみます。
次はもっとかみ砕いて詳しく記事を書こうと思います。

少しでも皆さんがSFプロトタイピングに対して興味を持ってくれると嬉しいです。

また次の記事でお会いしましょう!!

皆さんの良きデザインライフを!

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