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色気のある器とは【陶芸を学ぶ:第一回】

色気とはなんでしょうか?私の「色気」への関心は、川端文学の「陶器」から端を発します。

それ以来「陶器」への関心も高まりました。そして、その関心は実り、陶芸教室へ通うきっかけとなりました。まだまだ初心者ですが、「色気」のある器作りを目標に制作の記録を残しながらに陶芸にまつわる学びを綴っていこうと思います。

ことの始まり

本格的に陶器への興味をもったのは、川端康成氏の「千羽鶴」に出てくる織部と志野の描写を拝読した時でした。それまで器(モノ)に「色気」が帯びるという発想は持ち合わせておらず、そのような視点、見解がとても新鮮に感じたのです。

色気=「異性が放つ性的な空気や雰囲気」から「あらゆるものに内在する艶が発露されることで、情緒を想起させるもの」という大雑把な再定義が、新しい価値観としてモノを見る目を広げました。それは美意識の成長を促す起爆剤ともいえるほど、大きく衝撃的なものでした。

人によって個体差はあるとは思いますが、「どこそこに色気があるから、この作品は美しい。」という見解が持てるというのは、器(あるいはモノ)の価値を判断するときにとても役立ちます。もちろん「色気」だけが単一の価値を判断する基準ではありません。感情に訴えかけてくるもの全てが、器に限らずモノの価値を判断させる要素になると思うのです。

関心ごとから一歩進んで行動に移すまで

言葉という抽象的なものから生まれた「気づき」のために、これが「色気のある器」なのだという明確な答えを私は持ち合わせていません。そのために器がもつ「色気」への関心は陶器を見るたび、触れるたびに強くなりました。関心が募ると実際に体験をしてみたくなるのが人間の心情。その想いが原動力となり、陶芸教室に向かわせたのです。

私の場合、今の教室に通う前に体験教室に参加しました。何事も思い立った日が吉日といいますが、行動を移すまでの段取りも重要です。

まずは、自宅と職場周辺の教室をリサーチ。私の場合は、徒歩20分程度で探しました。

次に体験教室があるか否か。大抵の陶芸教室は体験できる機会があると思いますが、一度お金を払ってでも見に行き、教えを請うのは教室を見極めるためには大切です。

さらに体験するための金額と通うことになった場合のお月謝を調べました。

陶芸の場合、お月謝とは別に素材として使用する「土代」や「釉薬代」、「焼成代」などが発生します。教室によって内訳は変わるとは思いますが、月謝(教室使用料、工具料)+土代+焼成代(釉薬代、化粧土代など材料費含む)が基本だと思います。また、土は種類によって金額異なります。例えば信楽や半磁器土など価格が変わり、キロ売りになります。焼成代は成形した器を焼くために大きな窯で焼くのですが、その時の手間賃や諸経費だと考えています。

最後に工房の雰囲気が好ましいか、先生との相性がいいかを確認して通うことを決めました。

私が通う教室の生徒さんは、小さい子で幼稚園児から高齢の方までいらっしゃいます。平均でみると30代から40代の方が多いようです。男女比は1:1といったところでしょうか。

余談ですが、お受験の際に陶芸は好ポイントに働くようです。創造性を養いながら、陶器作りを始める前の準備、終わった後の片付けが同時に学べるという点に理由があるようです。私見ですが、さらに食への興味、文化への興味も想起させる「陶芸」は、心の豊かさにも繋がるのではないかと考えています。

色気を目標に

器において色気とはなにか?

まだ、その答えはわかりません。また、その答えがわかる時がくるのかもわかりません。ただ「色気」のある器作りを目標に陶芸を通して、多くの学びを積み重ねていこうと考えています。



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