読書記録73 12月の本まとめ

こんにちは。今月も変わらず本のまとめです。

2023年の本まとめもしたいなと思っていたらいつの間にか大晦日。
今年はただ本を並べるだけじゃなくて色々工夫をしたい!ということで、
2024年の福袋として、ちょっと編集してお届けしようかと思っています。

とりあえず今月の本まとめ。

1.『平安貴族サバイバル』(2022)木村朗子

源氏物語にハマりつつあり、図書館で借りた本。源氏物語を中心に、他にも落窪物語や栄花物語など平安期の作品から平安貴族の生活や常識を読み解いていく。源氏物語を色々な角度から分析した本を読むのが楽しいので他も読んでいきたい。

2.『Seven Stories』(2023)三浦しをん,井上荒野,小山薫堂,川上弘美,恩田陸,桜木紫乃,糸井重里

なんとなく好きな装丁、と思ったらやはりクラフト・エヴィング商會でにんまり。それぞれの短編の扉絵が素敵だ。JR九州の観光列車「ななつ星」にまつわるお話を上記豪華メンバーで書いた短編集らしく、旅がすき、電車が好きな私にとっては「ななつ星」への憧れがますます膨らんだ。特に川上弘美の「アクティビティーは太極拳」は、コロナで乗車できなくなってしまった母娘の話を描いていて、コロナ禍での旅への憧憬と、旅に出れないことを補う想像力を思い出した。

3.『気になる部分』(2006)岸本佐知子

サイン本が売っていたので購入。かなり昔のエッセイだが色褪せない面白さ。やっぱり上司の机に寿司をひっくり返してしまった話でどうしても笑ってしまう。日常にいたと思ったら気がつかないうちに大宇宙戦争に突入したみたいなエッセイが多くて本当に好き。

4.『本屋の新井』(2018)新井見枝香

20歳も年上?ということはもう43歳。それにしてはかなり若い文章で、2、30代の人が書いたのかと思っていた。テンションが若い。 書店員さんは大変なんだなあということが分かる。紙袋の中の台紙が紙袋より高いとは驚いた。

5.『じぶんリセット』(2014)小山薫堂

YAコーナに行くのが結構好きだ。人生に迷った時はYAコーナーの本がヒントになったりする。第1章「あたり前の「便利」をリセットする」で日本の観光地にレンタサイクルはあるがシェアサイクルはまだ浸透していないと書かれていた。この本が発売された2014年から9年経ってドコモやLUUPなどが広がっているのを見ると面白い。以前福井に行った時も、敦賀や福井でシェアサイクルが街中に置かれていて、ちょっと使おうか迷った。

6.『異性』(2012)穂村弘,角田光代

角田光代と穂村弘が交換書簡のように恋愛や男女にまつわる話を上品にしている。直接的な描写などはなく、「男女平等と言われつつも、性差はきちんとあるよなあ」的な話が続く。最終的には「人それぞれ」で収束してしまう話ではあるのだけれど、「もてる人にはスペースがある」という話にはぐさっときた。

7.『愛する源氏物語』(2007)俵万智

11月末、福井県の敦賀駅にある「ちえなみき」という選書と陳列にこだわった本屋さんで買った。源氏物語に片足を突っ込んだ状態で年越しを迎え、年明けには大河ドラマ「光る君へ」を観るルートが見える。源氏物語を取り巻く書籍がたくさんあり、各著者が色々な視点から源氏物語を読んでいるのがとても面白い。この本は、読み飛ばされがちな「和歌」に重点を置いて、物語における和歌の重要性を示している。受験古文では和歌の読解が苦手だったのだが、この本ではもとの和歌の横に俵万智訳の和歌(ちゃんと57577に収まっている)が載っているので読みやすい。
和歌にすれば、夫婦喧嘩も、口説き文句も、たわいない会話も何かしら意味を含めて届けることができるという当時の風習が非常に興味深い。現代で会話の中で急に57577を入れられたらびっくりはするが、そういう世界もいいなと思う。

果たして2023年の本まとめを編集してお届けできるのか!乞うご期待。

本年もありがとうございました。

かしこ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?