〈偏読書評〉 『掃除婦のための手引き書 ルシア・ベルリン作品集』(講談社)

毎月(正確には年10回)、とあるファッション誌の公式サイトにて新刊紹介を書かせてもらっているのですが、原稿を送って数週間経つというのに、9月分の記事がいっこうに公開される気配がありません(追記:と、半ばぼやくように投稿していたのですが、数時間後に記事が公開されました)。でも、今月分の記事で取り上げている作品は、どれも激推ししたいものだし、早く紹介したい。ということで、久々に〈偏読書評〉名義での投稿

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代官山蔦屋書店にて岸本佐知子さん『セミ』トーク会にまつわる寅さんとオシャレな女の話

暑い夕方、まだ蝉は鳴いていなかった。自宅から最寄り駅までの車道を、車の通っていない雑草だらけの車道を、フーテンの寅さんみたいな恰好をした人が歩いていた。

昼に起きた地震の影響で東急東横線は遅延し、車内はぎゅうぎゅう詰めだった。読もうと思ったクレストブックスを右腕に抱え、読めるはずがなく、左側の女と闘っていた。彼女はファッショナブルで大きなかばんを肩にかけ、ときどき体の前に持ってきたりしていたが、

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きょうのわたくしについて

12:10
エッセイに内山理名さんのことを書いたら、書く前よりもっと好きになった。
これが言霊というものなのかもしれない。

内山理名さんは熱心にヨガをやっているのだけど、若い頃よりも口角があがって見える。素敵。ヨガをやると口角があがるのだろうか。

調べてみると「口角をあげるヨガ」なるものがあるらしい。

なるほど。これをやっているのかな。

「1分で口角を上げる!顔ヨガの方法」というサイトを

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気になる部分

岸本佐知子 「気になる部分」を読み終えた。
岸本さんワールド全開だった。

新幹線の先っぽが気になる。
キリンの角が気になる。
小豆枕の日本軍...

岸本さんは翻訳家としてご活躍されているが、
私はエッセイが大好き。

奇妙で、奇怪で、不思議な世界に迷い込み、
卑屈も皮肉も含んだラブリーさがある。

私が好きだと思う本は"共感"にある。
岸本さんは自分がいかに鈍臭く、社会になじめず、びくびくと過

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柴田元幸さん、金原瑞人さん、岸本佐知子さん、翻訳家3選!おすすめです!!

柴田元幸さん、マーク・トゥエイン作、柴田さん訳『ハックルベリーフィンの冒けん』を語る。

金原瑞人さん、JDサリンジャー作、金原さん訳『このサンドイッチ、マヨネーズ忘れてる パプワース16、1924年』を語る。

岸本佐知子さん、ミランダ・ジュライ作、岸本さん訳『最初の悪い男』を語る。

是非、お聴き下さい!

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岩波書店編集部編 『翻訳家の仕事』

★★★★☆

 2006年に岩波新書から出た本書は、雑誌『図書』に掲載されていた「だから翻訳はおもしろい」という連載をまとめたものです。名だたる翻訳家総勢37名が翻訳について語っています。

 主な翻訳者は亀山郁夫、柴田元幸、高見浩、野崎歓などなど。今年、全米図書賞翻訳部門を受賞した多和田葉子や、村上春樹を英訳しているアルフレッド・バーンバウムもいます。

 翻訳というのはどういう行為なのか? 考

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