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子どもに必要とされる時間は、短い。

目にいっぱい涙をためて、決して大声で泣くこともなく、必死に怖い気持ちを耐えている。

そんな娘の様子を見て、いつの間にこんなに大きくなったんだろう。と、ふと冷静に考えてしまった。それは、学校の歯科検診で思いっきり「虫歯」判定がでて、久しぶりにおとずれた歯医者での出来事。

病院へ行く前から「痛いことはしない?」「ママみたいに歯が銀色になっちゃわない?」とずっと娘は、怯えていた。

先生からも歯科助手の方からも「大丈夫。痛くないよ」とお墨付きはもらったけど、ばっちりレントゲンも取られたし、麻酔もされたし、注射もされたし、ゴリゴリに削られた。

その間、わたしはただ励ますことしかできなくて、ずっと娘の手を握っていた。痛いくらいにギューーーーっと強く。それで少しでも娘が安心できて、拠りどころになれるのであればと願いながら。

親のパワーはいつ切れる?

ところで。「ママと手をつなげば大丈夫」は、いつまで効果があるんだろう。あとちょっとかもしれない。

娘が小学生になりたてのときは、学校の下駄箱まで見送っていた。それが、校門までになり、通学路の途中の角までになり、家の前の道路までになり、玄関までになり。いまでは、ひとりでお友だちの家まで遊びにいくようになった。

めんどくさいと思っていた日々が過去になるのは、あっという間だ。さんざん先人たちが教えてくれたことだけど、日常では「めんどくさい」が圧倒的に勝つから、忘れてしまう。頭の片隅によぎるときもあるけど、それよりもイライラが勝つことばかりで、毎日反省している。

はるさんの記事を読んで「この反省と後悔の気持ちをみんなもって、がんばってるんだ」と勇気づけられた。わたしはお母さん8年生だけど、12年生になってもおなじことで凹むことがあると思う。

子どもはあっという間に大きくなって、親よりも友だちと抱き合って泣いたり、居酒屋でクダを巻いてストレス発散したり、推しに癒やされるようになるんだから、必要とされている時間を満喫しなくては。

言っても大丈夫なひと、になれているのか?

今回、娘の虫歯がかなり進行してから発覚したのも、わたしが怒ってばかりいるせいだと気づかされた。

娘に「違和感なかったの?」と聞いたところ「言おうと思ったこともあるけど、ママにびっくりされるのが怖かった。ちゃんと歯磨きしないからだよ、とか、お菓子ばっかり食べてるかだらよって怒るでしょ」と言われてしまった。

これは、もう、反省。

子どもが悲しかったこと、悔しかったこと、怖かったこと、なんでも話してもらえるようにしていたいと思っていたのになぁ。

歯医者でも「ちゃんと歯磨きしてたもん」「ハイチュウもあんまり食べてないもん」と主張していた。そうだよね、君はよく頑張っていた。正直、めんどくさくて仕上げ磨きをしぶったり、定期検診に行かせていなかった親のせいだよ。ごめんね。

これからは、なにか言われたときに「え?!」とびっくりしたり「だから言ったじゃん」とかリアクションしない人間になろうと思う。「そうなんだ。じゃあどうしよっか」と冷静に受けとめて、考えを促せるひとになりたい。これは反省の記録で、決意表明でもある。

いま書かないと、明日には忘れるから。

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歯医者のくだりに戻ると、ギューッと手をつなぐことで、落ち着きを取り戻す娘を見て、いちばん救われたのは私だった。こんなに全幅の信頼をおいて、求めてもらう経験はなかった。

手をつないで、抱きしめて、必要としてもらえる、そんな貴重な時間を満喫していくぞ。

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子どもに教えられたこと

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