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『ときをためる暮らし』つばたさんご夫婦の静かで確かな愛の絆

本日は、つばた修一さんと英子さんご夫婦の、晩年の暮らし方と愛の形を綴った、『ききがたり ときをためる暮らし』をご紹介します。

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『人生フルーツ』映画化も!つばたさんご夫婦

修一さんは、自由時間評論家として活動。
英子さんは、200年以上続く造り酒屋で育ち、ご結婚後はキッチンガーデナーとして、ていねいな暮らしを実践。

スローライフの先駆者として、『人生フルーツ』という映画にもなりました。

このシリーズ、私は4冊持っています。

今もコロナ禍で大変な状況です。

英子さんの言葉を読んでいて、思えば日本は危機が常に隣り合わせの歴史を送ってきたと言っても過言ではないと気づかされました。

"戦争末期には、いよいよお米もなくなって毎日、さつま芋ばかり。
ずっと、そんなものばかり食べていると、体におできができるんですよ。
膿が出てようやく治ったかなと思うと、またどこかにできて。
ようするに栄養失調だったんですよね。

誰もがみんなそんな状態。
でも、それでも、人間は生きていられるんだなあと思った。
⋯⋯まあ、何かしら食べていれば、生きてはいられるのね。

私たちの世代は、空襲にあったり、地震や伊勢湾台風、いろいろなことにあっているから、常に危機感があるんです。
お金があっても、食べ物が何も買えなかったこともあるし。

だから私が、土があるのなら、自分で食べられるものをつくろうとするのは、そんな経験をしていることも関係するんでしょうねぇ。"

危機感を持ちながらも工夫して暮らす愉しみを、この本から教わりました。

疲れやすく病気がちだった英子さんは、畑仕事で鍛えられるうちに健康になり、ご高齢になっても活動できているとおっしゃっています。

継続できることが「好きなこと」だと気づいた

野菜づくりを始めたばかりの頃、同じ時期に始めた人はみんな続けられなくて脱落していったそう。

それほど、野菜づくりは重労働で過酷でもあるということですが、「人間は動けば動くほど、動けるようになる。」という英子さんの言葉は、農作業に限ったことではないなあと感じました。

英子さんは「私はこれがやりたかったんだ」と子どもの頃の記憶が蘇って、野菜づくりが自分の夢だと再認識。

キッチンガーデナーが生涯を通じてのライフワークとなりました。

さまざまな農作物を工夫しながら無農薬で作ることも日々挑戦でした。

農作業を通じながら、人、植物、季節から様々なことを学び吸収し、命の大切さに向き合っていきます。

毎日、口にする食事も真心を込めてつくる。
ていねいに。

〈ときをためる〉に込めた想い

英子さんのもの選びのこだわりも素敵です。

「物を買うときは次の世代に伝えられる、いいものを買いなさい。」というご実家の教えにしたがい、使い込むほどに良くなっていく家具や道具などを揃えていきました。

修一さんも100年以上使われてきた物が暮らしの中にあると、ほっとするそうで、タイトルにもなった〈ときをためる〉という言葉にも表れています。

"自分の手で暮らしを見据えたストックを作ること。
それが〈ときをためる〉ということです。"

修一さんは建築家のル・コルビュジェの「生き方」に影響を受けました。

"りっぱな肩書きを手にする、大きな財産を手にする、そういうことがなくても、人は幸せになれると思っていた。"

こんな修一さんの考え方に、英子さんも寄り添って生きてきたのですね。
ご夫婦の確かな愛の絆は、多くの人に静かな感銘を与え続けてくれるでしょう。

あなたは、どんなときをためていきますか?




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