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BOOK REVIEW vol.059 お客を捨てる勇気

今回のブックレビューは、中谷嘉孝さんの『お客を捨てる勇気』(クロスメディア・パブリッシング)です!

著者は、完全会員制のヘアサロンを経営し、サロンブランディングの第一人者として活躍されている中谷嘉孝さん。『お客を捨てる勇気』では、スモールビジネスを営む人に向けて、売上の減少やリピート率の低下といった危機的状況から抜け出すための経営術が綴られています。事実をもとにした“ストーリー形式”で描かれているので、とてもわかりやすく、サクサクッとあっという間に読んでしまいました!

物語は、一人オーナーのヘアサロンを経営し、売上が伸びずに悩んでいる主人公が、偶然出会った謎の紳士から経営指南を受けることによって、徐々に店舗経営を成功させていく…というストーリー。とてもアットホームな物語で、主人公とその周りに集まる仲間とのやりとりにほっこりしながら、経営について学ぶことができます。

生き残りをかけた状況で 儲かる店だけが知っていること
スモールビジネス経営者は 自分だけの旗を立てなさい

『お客を捨てる勇気』帯より引用

帯の言葉にもありますが、大切なのは「自分だけの旗」を立てること。物語を読み進める中で、何よりもまずは「自分はどうしたいのか」を洗い出すことの必要性があると思いました。

私はどうしたいのか
私は何が好きで、何が得意で、どんなこだわりがあるのか
「私だけの旗」とは、一体何だろう・・・?

はて…と考えてみると、まだ何となくモヤがかかったような状態であることがわかりました。自分のこだわりが曖昧でしっかりと定まっていない感じ…。これからは「自分とは」の部分をより明確にして、打ち出していく必要があるなと思います。たとえば、SNSを通じて日々拡大している“横のつながり”も、「私は◯◯が好きで、◯◯にこだわっています!」という旗が立っているのといないのとでは、きっと相手に与える印象も関係性の深さも大きく変わってくるはず。旗を立てることで、さまざまなミスマッチが減り、その内容に共感してくれる仲間(理解者)との密度の濃い、楽しいやりとりの時間が増えたらすごくいいな!私もそんな“ユートピア”を築いていきたいと思いました。

『お客を捨てる勇気』はビジネス書ではありますが、描かれている物語はビジネスの枠を超えた、「個人の生き方や在り方、ブランディング」にも通じるお話でした。私自身はビジネスの経験はほとんどありませんが、今の立場で読んでも、多くの気づきが詰まっていて、とても勉強になりました。ほっこりとしたストーリーの中に、時折、挟み込まれる本質を突いた言葉にグハッとなりながらも(笑)、経営術を楽しく学べた一冊です!

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