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BOOK REVIEW vol.044 ただいま見直し中

今回のブックレビューは、小川奈緒さんの『ただいま見直し中』です!

「手放すこと」について、今まであまり考えてこなかった私。どちらかというと「維持すること」「守ること」に心地よさを感じ、よほどのことがない限りは「変化」よりも「現状維持」を好んで選んできたよう思う。(蟹座みかな?)

それが昨年末あたりから、じわじわと「手放し」という言葉を見聞きする機会が増え(いや、本当はそれまでも見聞きしてきたはずなのに「自分には関係ない」と、まったく気にしていなかった…)、「手放し」という言葉に何かピンとくるものを感じ、最近はいろいろなモノやコト、思考などもひっくるめて見直したくなっているから不思議だ。そして、そんなタイミングで手に取ったのが、小川奈緒さんの『ただいま見直し中』だった。

小川さんのお名前は雑誌や本屋さんでお見かけしていたけれど、実際にご著書を読むのは初めて。ゆるさもあり、でもくだけすぎず、自然体で読みやすい文章。帯には『40代の終わりを迎える著者が日々の違和感に向き合い 手がかりを探っていく、爽快で心地よいエッセイ』とあるけれど、“爽快で心地よい”という言葉は、小川さんの文章を読んだ後に残る感覚としてしっくりくる。

こちらの本には、第1章から第5章まで「見直す」「手放す」「続ける」「変える」「はじめる」というテーマに沿ったエッセイが綴られている他に、現在お住まいの古民家の写真や、元ファッション誌の編集者でもある小川さんの「いまのおしゃれ」について、そして料理研究家でグルテンフリーのレシピを考案されている今井ようこさんと、「ミナ ペルホネン」のスタッフでもある石澤敬子さんへのインタビューもあり、さまざまな見方で楽しめる一冊。

とくにメインであるエッセイには、小川さんの心の動きが分かりやすく綴られていて、暮らしの中から生まれる「一つの疑問」についての考察・分析・検証、そこからの手放しや見直しの流れがとても明確。読みながら私の頭の中も整理整頓されていくようで気持ちよかった。「いろいろ考えた結果、今はこんな感じで落ち着いています」という最終的な「着地点」も、無理やり感がなくてとても自然体。きっとまた時間の経過とともに、年齢や状況の変化とともに変わっていくんだろうな、という可能性を感じながら、読んでいる私の心も「ちょうどいいところ」に落ち着いていく。

40代後半の小川さんとは、家族構成も年齢も職業も異なる私だけれど、「暮らし」の中で生まれる疑問や違和感には共感することも多かった。そして何より、小川さんの「見直し」を見ていたら、私の中の「見直し欲」もつんつん刺激されたようで、身の回りのこと以外にも、「これから私はどう生きていきたいのだろう」という大きなビジョンまでもを見直したくなっているから不思議(笑)

小川さんのすっきりとした暮らしや思考に憧れつつも、まだまだもったりとしていて雑念が多い私。でもこれを機に、持ち物も暮らしも生き方も、小さな疑問をなかったことにせずに見直していきたい。そして、今の自分にとって心地いい最適解を見つけていこうと思う。

✳︎
実は『ただいま見直し中』を知ったのは、数年前からインスタアカウントをフォローしているnamytone(ナミトーン)さんが、noteの記事で紹介されていたことがきっかけ。

最近、グルテンフリー生活を始められたnamytoneさんは、小川奈緒さんの本の中にグルテンフリーについて書かれた章があって驚いた(しかもジョコビッチ繋がり!)と書かれているけれど、私にも同じようにびっくりしたことがありました。

それは第5章『風の時代に扉を開く』というエッセイの中に、yujiさんの『「風の時代」に自分を最適化する方法』が紹介されていたこと!たまたま手に取った本に、推しについて書かれている一文を見つけると、めちゃめちゃ嬉しくなりますね!!(←書きながらまたテンション上がってます笑)

小川奈緒さんのnoteはこちら
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