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尿路結石治療体験記~手術の後

下半身の感覚が全くないので、移動用のベッドに乗せられ病室のベッドまで戻ってきました。血栓ができるのを防ぐため、すねに圧をかけたり抜いたりするエアマッサージみたいなものを巻かれました。点滴は、明日まで続くとのこと。ご飯も食べられず、麻酔が解けるまでただ横になっているしかありません。エアマッサージがプシュプシュ言う音を聞きながら寝ていましたが、硬いベッドの上でほとんど身動きできないので背中が痛くてしょうがありません。時々看護師さんが様子を見に来てくれ、麻酔の解け具合を確認してくれます。自分でも徐々に足を動かせるようになってきて、膝を曲げられるくらいになったらエアマッサージを外してくれました。ようやく横を向いたり姿勢を変えることができるようになり、点滴のチューブに気をつけながらも何とか眠れぬ夜を乗り越えました。

そうそう、歩くことができないので、尿道には膀胱からおしっこを出すための管が差し込まれています。管が抜けてこないように膀胱の中で風船が膨らまされているとのことで、自分で管を抜いた人は尿道が裂けて大変なことになったそうです。邪魔だと思っても、決して自分で抜いてはいけません。

朝になり、回診でOKが出たのでおしっこの管と点滴を外してもらいました。ようやくのびのびできます。食事もとってOKとなり楽しみができましたが、後は体調の様子見のため寝転がっているしかありません。退院までは紙コップに尿を取って、それを自分専用のでかいビニール袋に貯めておくよう言われました。ビニール袋の上には細かい網がついており、そこに砕けた石が残る仕掛けです。最初はやっぱり血尿が出て気が滅入るのですが、そのうち出なくなり、そうしてみると時々紙コップの下に細かい砂粒のようなものが沈んでいることに気づきました。ああ、ちゃんと砕けてるとうれしくなりましたが、まだ取り切れていないものがあることを思い出し憂鬱になります。

やることもなくベッドに寝転がっていると、新しく入院してきた人と医者との話が聞こえました。その人は豪快にも両方の腎臓に石があるようで、2回に分けて手術するそうでした。その人は手術を受けるのは初めてのようでしたが手術に対する不安が全くないようで、2回手術を受けることになるのも意に介さず、下半身麻酔で脊髄注射することにも全く不安が無いようでした。ああそうですかお願いしますと、まるでポテトは如何ですかじゃあお願いしますといった感じでした。私のように極度に恐れる人もいれば、この人のように全く意に介さない人もいるんだなあと思いました。ちなみにこの人は、手術後豪快にいびきをかいて朝まで寝ていました。

4日目、朝の回診で問題ないことを確認してそのまま退院となりました。それから1ヶ月後、CTスキャンを撮り石の状況を確認したところ、腎臓に5mm程の石が残っているのと尿道に数mmの石が数珠状に詰まっていることが分かりました。医者は同じ手術をもう一度するよう提案してきましたが、私は断固拒否しました。この手術は負担が大きすぎる。無駄に日数もかかるし、やっぱり脊髄注射は嫌だし、麻酔のための準備も覚める過程もつらいです。なので、衝撃波でお願いしますと言いました。何回もやることになるかも知れないよ、痛いよ、手術の方が確実だよと言われましたが、断固拒否です。

で、衝撃波でやってもらうことになったのですが、今度は2泊3日の入院が必要という。病院の決まりだそうです。それから、すぐやってもらえるのかと思ったら2週間後とのことでした。え、そんな先なの?もっとさっさとやってほしいんだけど。いつまでも治療に係わってるのは嫌なんだけど。さっさとやりたいんで他の病院紹介してもらえないかと聞いたら、衝撃波の治療ができるのは県内で3箇所しか無いという。他の2箇所はどちらも家からは遠いところ。で、諦めました。2週間後の入院の予約を入れて、家に帰ってきました。

<つづく>

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