見出し画像

尿路結石治療体験記~ステントが取れた(治療の終わりそして予防へ)

1ヶ月後、X線CTを撮りに行きました。今回は写真を撮って診断を受けるだけなので、至って気楽です。痛みの恐怖に怯えることもありません。受付をしてしばらく待ち、X線CTを撮って次は診断です。結果として、ステントは取ってもいいでしょうとのこと。やっと、身体の中から異物が取り除かれます。我慢できない猛烈な尿意からも解放されます。

で、いつ取るのかと思ったら、今から取るという。えええええええ!そんなの聞いてない。心の準備なんて微塵もしてない。今日は、痛い思いはしなくていいはずだったのに。私はおおいに動揺しました。が、どのみち取らなきゃいけないし、今日は止めときますと言えるような雰囲気でもなし、医者はどんどん準備を進めています。すぐ終わるんですよね、簡単なんですよねと医者に確認すると、簡単です、すぐ終わりますという。でも前立腺を通る時は痛いんですよねと確認すると、痛いですという。痛くなる時は事前に教えて下さいねと念を押し、覚悟を決めステントを取り出してもらうことにしました。

またレントゲン室の所に行くのかと思ったら、診察室の脇のカーテンで仕切られた所にあるイスに座らされました。それはまさに出産で座るようなイスで、膝の後ろを支える台がついていて、足を広げられる作りになっていました。紙パンツに履き替えて座って待ってて下さいという。イスに座ってしばらく待たされていたので、その間だんだん恐怖がわき上がってきます。これまでとは全然違う環境でやるので、不安が増します。今日は痛いのは無いはずだったので心の準備も全くなく、それが動揺に拍車をかけています。やっぱり、心の準備って大切だと思います。

ようやく始めますと言って、イスを倒されました。それからお腹のところでカーテンをサァッと引かれ、お腹から下も医者も見えなくなりました。私は見えないことに恐怖を覚え、カーテンを飲み屋ののれん宜しくくぐって顔を出し、始める時は言って下さいね、痛くなる時は言って下さいねと念を押しました。痛い時は痛いと叫びますからね、とも伝えました。では始めますと言い、まずはいつもの通り麻酔のゼリーの注入から始まりました。それから、カメラなんでしょうか、何か入れられてやっぱり前立腺を通る時は痛くて叫び、早く終わってくれと祈りながら全身に力が入りつつ耐えていました。始まる前に力を抜いて下さいねと言われましたが、力を抜くのは本当に難しいです。

言われていた通り前回よりは早く終わりましたが、期待していたよりは少し時間がかかった気がします。痛みに耐える時間は、長く感じるものです。でも、これでようやくステントから解放され、ホッとしました。身体ふらふら、でも気分爽快といった感じです。気分がハイになった私はステントを見せてもらうことはできますかと看護師さんに聞くと、いいですよ持って帰りますかという。是非ほしいというと、珍しいですね、大概の人は見たくも無いと言うんですけどと言われました。長らく自分の身体の中に有り、腎臓を守っていたけど尿意の苦しみも与えていたこのステント。ずっと一緒にいた同士のような感じも有り、感謝も有り、憎しみも有り、いろんな思いがあってもらって帰ることにしました。

冒頭にある写真が、そのステントです。直径1.5mmくらい、長さ300mmくらいのチューブになっています。電線の被覆チューブのような感じの柔らかいものです。両端が丸まって、抜けてこないようになってます。ところどころに直径0.5mmくらいのちいさな穴が開いており、ここを尿が通る仕組みになってます。

さて、私がこの体験記を書こうと思ったのは、尿路結石を軽く見てはいけないということを伝えたかったからです。実際、私は石くらいどうってことない、いよいよとなったら衝撃波で砕けばいいんだろうくらいに思っていました。それが、腰の辺りに痛みを感じて治療を開始してからステントが取れるまで、半年以上かかりました。その間、2回入院し、痛い思いをし、それ以外にも何回も病院に行き、X線写真も何回も撮ってたくさん被曝し、ずっと猛烈な尿意に悩まされ、仕事も何日も休みました。治療費も、すごくかかりました。

石ができていると分かったら、小さなうちに治療すべきです。大きくなればなるほど大変になります。小さいうちは、自然に出る確率も高いです。石だけではありません。人間ドックとかで異常が見つかったらたいしたことないと思わず、病院に行って検査を受けるべきです。その方が結局早く済みます。費用も少なくて済みます。何でも問題が小さなうちに対処した方がいいです。医者嫌いの私は、今回本当にそう実感しました。

もう二度とこんな思いはしたくないので、石ができるのを予防する対策を調べました。私の石は、分析の結果シュウ酸カルシウムでした。では、シュウ酸を取るのを控えればいい。シュウ酸と言えばほうれん草だから、ほうれん草を食べるのを控えればいいと思いました。他にシュウ酸を含むものは何があるかなと調べてみたら、多少の差はあれ多くのものに含まれていました。確かにほうれん草は多い方ですが、バナナもニンジンも同じくらいに多いし、お茶はもっと多い。シュウ酸を取るのを控えるのは、不可能のようでした。

そこで、石のでき方について調べてみると、尿中でシュウ酸とカルシウムが結合し結晶化してできるとのこと。従って、シュウ酸が胃や腸の中にあるうちにカルシウムと結合させ、そのまま排泄させてしまえばいいとのことでした。ほうれん草のおひたしを食べる時かつを節をかけて食べるのには、こんな意味もあったのです。そうそうかつを節ばかり食べてる訳にはいかないので、カルシウムを一番手軽に取れる牛乳を食事の前に飲むことにしました。

また、酢の主成分の酢酸は、尿中でシュウ酸とカルシウムが結合するのを阻害するそうで、一日スプーン1杯酢を飲むことにしました。他には、バランスのいい食事をとること、1日2リットルくらい水を飲むことがいいとありました。対策として水を1日2リットル飲むだけだと3年後の再発率は70%くらいあるが、カルシウムを取る等食事の対策も併せて行うと3年後で20%、5年以降でも40%程度に抑えられるそうです。水と食事、この対策をしっかり行っていくと心に決めました。

以上で、私の尿路結石治療体験記を終わります。たかが石とあなどってはいけません。問題は小さいうちに解決するのがいいと言う教訓にして下さい。それから、もはや石ができてしまいこれから治療を受けるという方に、どのようなことが待っているのか私の経験を伝えることで、少しでも不安を減らすことができればと思っております。逆に不安をあおっているところがあるかも知れませんが、何も知らないことを経験するのは恐怖です。それを和らげる一助になればと思っております。ご参考になれば、幸いです。では、皆様健康第一で。ありがとうございました。

<完>

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?