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【1分小説】星が溢れる

お題:星が溢れる
お題提供元:スマホアプリ「書く習慣」より
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 星が溢れる。君の瞳から。

「なんかねえ、昨日から止まらないのよ」
「はあ」

 スパンコールみたいなキラキラが、左目から右目から、ぽろぽろ、ぽろぽろ落ちてくる。

「なんでだろうね」
「やめなよ、目に傷がつくよ」
「だって」

 目をこすると、星はパチパチと火花のように弾けて消えていく。

 昨日夜通し泣いてたんでしょ。
 憧れの人と同じ志望校に行けないって。

 涙が枯れてしまったから、星がこぼれ落ちているのかもしれない。

「今日さ、パフェ食べに行く?」
「いらない」
「食べたいっていってたじゃん」
「食欲ない」
「行こうよお」
「えー」

 君の取り繕う笑顔はぎこちない。

「なんか私、今日パフェ食べないと死にそうかも」
「死なないでしょ」
「いや、まじで。だからお願い」

 それで君の悲しみが癒えるわけでもないと、分かっているけれど。

「食べに行こうよ、パフェ」

 なんとかして溢れ落ちる星を止めてあげたかった。