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人生を懸けられた僕らの「責任」と「誇り」

おはようございます。
ARスポーツ『HADO』の生みの親、本木です。

このnoteやTwitterなどで、「HADOの選手は人生を懸けている」と書くことがあります。
この言葉を綴る時、僕はいつも「責任」と「誇り」を感じています。

今日は、「人生を懸けられた側」の人間の話を書こうかと思います。

『HADO』とはなにか

『HADO』とは、2015年末から始まった新しいスポーツです。

ポケモンGOなどでも有名なAR(拡張現実)という技術を使って、エナジーボールと呼ばれる光の弾とシールドを駆使して戦う競技です。

頭にはヘッドマントディスプレイ、腕にはモーションセンサーを装着します。
10m×6mほどのコートで3対3で行われ、相手の身体の前にある的に弾を当てると1点加算されます。
80秒の制限時間内により多く得点を獲得したチームが勝利となる、「無限に弾が撃てるドッジボール」のような競技です。

現在は、世界26ヶ国65ヶ所以上でプレイができ、2016年から世界大会も4年連続で開催されています。

※上記はイメージムービーですが、大体こんな競技です

そんな『HADO』なのですが、世間的には僕が『HADO』の生みの親という事でやらせてもらっています。

2018年中頃まで『HADO』のディレクターとして仕様を決めており、その後は大会運営や普及のためのマーケティング活動を行っています。

もちろん、実際は僕を含めた株式会社meleapのメンバー全員で創り出し、その後も多くの人の力を借りながらここまで成長してきましたので、僕の貢献度なんてちっぽけなものです。

(ただこの場では、便宜上差し出がましいですが「創った人」という立場で話をさせて頂きます)

熱量の高まりに嬉しさと同時に怖さがあった

『HADO』は新しいスポーツなので、最初は選手と呼べる人はもちろんいません。
大会を開催しても、当日初めてプレイする人もいたりして、大会というよりお祭りイベントみたいな感じがしばらく続きました。

でも、大会を重ねていく内に段々と『HADO』に本気で取り組もうとする人達が現れてきます。

もちろん、僕たちは事業として『HADO』を創っているので、そうなることを期待していましたし、そうなるように世界大会の開催などのレールを整備し、さらに先のプロ化というビジョンをみせる努力もしてきました。

ただ、いざ人生を懸けて取り組む選手達が現れると、クリエイターとしての嬉しさと同時に「怖さ」のようなものを感じる事がありました。

「怖さ」の正体は、自分が創った競技が人の人生を変えてしまっているという事実です。

まだまだマイナースポーツである『HADO』。
もちろん『HADO』の選手として食べていけるわけはなく、ほとんどの選手が仕事や学業と掛け持ちで選手活動をしています。

練習のために週何日も往復数時間の道のりを通わなければならないし、コート料金も支払うので、時間的にも金銭的にも非常に負担が大きいです。
また、シーズン中は毎週日曜には大会を行っているので、大切なプライベートの時間をかなり犠牲にしています。

果たして『HADO』をやっている事が彼らにとって人生のプラスになっているのだろうか、『HADO』に使うお金や時間を別の事に使う方が有意義なのではないか、その人の本来持っている夢の妨げになっていないだろうか、もしくは、その人の夢の対象になることはできるのだろうか。

そんな自問自答する日々が続いていました(今もなくなる事はありません)。
そして、その答えが「責任」という形で重くのしかかってくるのです。

「誇り」を与えてくれたのも選手たち

大会の規模が大きくなればなるほど、選手の人数が増えれば増えるほど、その「責任」は大きく、重くなっていきます。

特にグランドスラム大会と呼ばれる日本選手権や世界大会などの運営をする時などは選手達の人生を変えているという「責任」に押しつぶされそうになることもあります。

でも、そのグランドスラム大会での選手たちの躍動している姿や、勝利して抱き合っている姿、負けて悔し涙を流す姿を見ていると、本当に勝手な話ですが、すごく救われる気持ちになります。

どの選手たちも本当に真正面から『HADO』と向き合って、『HADO』を楽しんで、『HADO』に人生を懸けているのが伝わり、それが間違いではないと気づけるからです。

ここで、少し時間を頂けますでしょうか。
是非、試合後の彼らの言葉を聴いて下さい。

↑ 昨年夏の日本選手権の決勝です。長いですが最後の試合からその後のインタビューまで是非観てみて下さい

まだまだ小さい規模ではありますが、このような空間をつくり、人生を懸けた選手たちの素晴らしいパフォーマンスがあり、興奮と感動に包まれる観客がいる。
そんな現象が起きている事を、勝手ながら「誇り」に思う事ができるようになってきました。

選手たちは、きっと僕が想像している以上にかけがえのない時間を過ごしているのだと思います。

仲間と同じ目標に向かって、ぶつかり合いながらも共に汗を流し成長する。
大会という舞台で、日常では味わえない緊張の中、仲間を信じて戦う。
その結果、勝利すれば仲間と抱き合って喜び、負ければ悔し涙を流す。
他チームとも切磋琢磨し、対戦した際には最大限の敬意を表す。
練習や大会が終われば、皆で盃を交わして、他愛もない話で盛り上がる。

これらが、『HADO』に人生を懸けるに値するのかはわかりません。
ただ、彼らの人生にとって『HADO』が刺激と潤いを与える存在になっているのは確かです。
そんな存在になれている事を「誇り」に感じています。

人生の一コマに『HADO』を選んでくれたからには、その一コマをかけがえのない素晴らしい時間にしなければなりません。

そして、もちろん彼らは今だけではなく、この先にある未来に対して人生を懸けています。

彼らの懸けた人生を意味のあるものにするため、これからも(勝手ながら)「責任」と「誇り」を持ってこれからも取り組んでいこうと強く思っています。

最後に

現在、コロナウイルスの影響で、『HADO』は最大の危機を迎えています。
いつ『HADO』がある日々に戻れるかわからないですし、大会の再開時期も不透明です。

人生を懸けた選手と、人生を懸けられた僕ら。

我々の苦難の道は続きますが、今は必死に耐えましょう。
また沢山の観客が観ている最高の舞台で試合ができるその日まで。

その先の未来は、もっともっと壮大です。
なんと言っても我々の目標は「サッカーを超える競技を創る」です。

その日が来るまで、おそらく僕は『HADO』を通して沢山の人の人生に影響を与え、その「責任」に勝手に潰されそうになると思います。

でも、選手達の与えてくれる興奮と感動を「誇り」に変えて、必ず乗り越えていきます。

我々の目指す未来は明るいですし、最高に楽しいです。
力を合わせて、必ず実現させましょう。


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